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政治を動かす 前衆院議員 東海比例・静岡1区重複 しまづ幸広さん(下)原点に母の存在

名古屋市で行われた党リニア対策チームと沿線住民などとの懇談会であいさつする、しまづさん(正面左端)=2019年9月21日、名古屋市中区

 何としても総選挙で政権交代を実現し、野党連合政権をつくりたいと奮闘する、しまづさん。政治信条は「誰もが幸せに暮らせる社会の実現」です。

 原点には、女手一つでしまづさんと妹を育てた母の存在があります。朝早くから夜遅くまで、休みもなく懸命に働いても、暮らしはよくなりませんでした。高校生の時、「みんなが平等に暮らせる社会」という社会主義にあこがれ、日本民主青年同盟に加盟。日本共産党の導きをうけ、社会主義について学ぶ中、旧ソ連や中国のように「自由と民主主義がない社会」ではなく、自由や民主主義など資本主義の成果を引き継ぎ、より豊かに発展させる社会をめざしていることを知り、「目からウロコが落ちる思い」でした。18歳で入党しました。

 しまづさんは、建設会社勤務を経て、赤旗静岡県記者になり、10年間、県内をめぐり、小さな声を聞き、困難を解決する道筋を報道しました。「現場で当事者から丹念に話を着ていると、どこかに解決の道があった」と語ります。

■廃炉願う先頭に

 2014年の総選挙で初当選したしまづさん。国会で、「世界一危険」とされる中部電力浜岡原発(御前崎市)の廃炉を求めました。「原発は人類の手に負えない」「事故時の避難計画が立てられない」など、周辺地自体の首長や住民の切実な声を突きつけ、「東海地震の震源域の真ん中にある浜岡原発の廃炉を政治決断すべきだ」。

 藤枝市の八木陸雄さん(82)は「廃炉を願う市民の先頭に立って、野党が共同提出した原発ゼロ法案の審議を早くすすめてもらいたい」と、しまづさんに期待を寄せます。

 リニア中央新幹線の国会質問では、大井川の水枯れや財政投融資の問題など先駆的論戦で政府に迫りました。

 大井川の水枯れ問題は15年4月の環境委員会で、毎秒2㌧減少というJR東海の資産に、流域の8市2町の住民が不安を抱いていることを紹介し、JR任せの政府に「リニア計画は凍結し、見直すべきだ」と求めました。

 リニア新幹線を考える静岡県民ネットの林克さんは「命の水、豊かな自然は県民、国民の宝。ぜひ国会に戻ってリニア中止を迫ってほしい」と話します。

 16年10月の内閣委員会では、政府が「地方創生回廊」の軸としてリニアに3腸炎の財政投融資を行う問題を取り上げ、その効果を追及。石原伸晃経済再生相(当時)が「マクロ経済の分析はまだ行われていない」と答弁。「試算もない、根拠もない、スローガンだけ。大変無責任だ」と断じました。

 自民党議員も「自分たちでは言えないことをよく言ってくれた。これからもどんどんやってくれ」と声をかけてきました。

■反響呼んだ質問

 16年2月の最低賃金引き上げの国会質問は全国でも大反響になりました。小さい川をはさんで静岡県と神奈川県の最賃が122円も違い、首都圏への人口流出が止まらないと迫りました。「コロナ禍だからこそ、最賃の大幅引き上げと全国一律化が不可欠。中小企業支援とセットで最賃を引き上げてこそ、コロナで冷え込んだ暮らしと経済を守り、回復させることができる」と力を込めます。

 カジノを含むIR法案の論戦では、16年12月の本会議反対討論で「経済成長どころか、国を滅ぼしかねない希代の悪法」と厳しく批判。当時の内閣委員会委員長の秋元司氏は汚職事件で複数回逮捕され、混乱が続いています。

 東海4県をまわり、一人ひとりに寄り添い、声を聞く、しまづさん。国民の願いを国政に届けるため、比例東海2議席回復へ全力をあげています。

(10月3日 しんぶん赤旗)