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表現の不自由展めぐり市民訴え 知事リコールは反対「行政による検閲助長」

「表現の不自由展・その後」を理由とした大村知事へのリコールには反対と訴えるつなげる会の人たち=13日、名古屋市中区

 「表現の不自由・その後」をつなげる愛知の会は13日、名古屋市中区栄で街頭宣伝し、「表現の不自由展」を理由とした大村秀章知事へのリコール運動は反対だと訴えました。

 大村知事のリコール運動は、名古屋市の高須クリニック院長の高須克弥氏らが、不自由展に県が補助金を支出したことを不服として、8月から行おうとしているもの。不自由展に不満があるとして、市の分担金支払いを拒否している河村たかし名古屋市長が深くかかわっていることを双方とも認めています。

 抗議宣伝には雨が降るなか、20人が参加。「リコール運動は『表現の自由』を後退させるもの」「芸術と表現の自由、歴史の事実を否定し、行政による検閲を助長させる」「名古屋市長の関わりこそ、文化芸術の政治利用に他ならない」とのビラを配布しました。

 マイクを握った守山区の寺西昭さん(49)は、「表現の不自由展をみないまま批判するのはやめていただきたい。表現活動を一面的にとらえて攻撃するのではなく、話し合うことが必要。不自由展はそのきっかけになった。今度もこのような展覧会を行うべきだ。その妨げになる今回のリコール運動は大反対」と述べました。

 つなげる会メンバーの高橋良平さん(42)は「今回のリコール運動は、気に入らないものを力でつぶすという去年の不自由展攻撃と背景が似ている。おかしいと思う市民がしっかりと声をあげることが、私達の自由と民主主義を守ることになる」と話しました。

 日本共産党愛知県委員会は、憲法21条で定められた「表現の自由」は守られるべきであり、行政こそ「表現の自由」を守る先頭に立つべきであるとして、今回のリコール運動は適正なものとはいえないと表明しています。

(6月16日 しんぶん赤旗)