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一人ひとり声あげよう 性犯罪刑法改正へ運動 名古屋で「Spring」が集会

山本さんの講演を聞く「Spring全国キャンペーンin名古屋」の来場者ら=14日、名古屋市昭和区

 「被害者が訴える性暴力が性犯罪として認められにくい現状を変えたい」―。性被害当事者等団体「Spring」が14日、名古屋市昭和区で集会を開き、61人が参加しました。

■ 本村議員あいさつ

 Springが3月から開始した全国キャンペーン「#MeTооで変えよう!刑法性犯罪」の第5弾です。愛知県では、名古屋地裁岡崎支部が3月26日、長女に強制性交した父親を無罪にしています。長女が「同意していなかったこと」は認めましたが、「抗拒不能の状態だったと認定することはできない」としました。検察側が控訴しています。

 Springの山本潤代表理事が講演し、2017年の刑法性犯罪の改正について報告しました。名称が「強姦罪」から「強制性交等罪」に変更され、「3年以上の有期懲役」から「5年以上の有期懲役」に重刑化され、被害者が告訴しなくても検察が起訴可能になるなどの改正点を紹介。積み残された課題として、公訴時効の撤廃、暴行脅迫要件の緩和、性交同意年齢(現行13歳)の引き上げ、配偶者間での強制性交等罪の成立などをあげました。

 最も解決したい課題としては①性暴力は証拠が残りにくいにも関わらず、証拠がないとして加害者が有罪にならないこと②弱い立場の人がずっと性被害を受け、ダメージを負い続けること③大した被害でないと性暴力を許す社会の風潮―の三点を指摘しました。

 17年の刑法改正時に、3年後の見直しが附則についたことをあげ、20年の刑法改正めざし、「検討委員会には、当事者や性暴力被害を理解している専門家を半数以上入れてほしいことを要望していく」と語りました。

 その上で、性暴力をなくすには多くの市民の協力が不可欠と強調。「一人ひとりに声と力がある」と述べ、一人ひとりの声を集める「OneVoiceキャンペーン」への協力をよびかけました。

 参加者が数人ごとに分かれて、性暴力をなくすために何ができるか話し合いました。「親が性犯罪について正しい知識をもち、子どもに教えられるようになればよい」「高齢者に対する性暴力への対応も考える必要がある」などの意見があがりました。

 政党代表のあいさつでは、日本共産党の本村伸子衆院議員が「性暴力被害者に寄り添った、個人の尊厳が守られる刑法への改正実現目指して、全力で頑張りたい」と述べました。須山初美県常任委員、高橋真生子県女性部長が出席し、公明党参院議員、新生あいち県議、名古屋民主市議もあいさつしました。

 市民の声を政治の場に届ける活動では、参加者による「模擬ロビイング」も行われました。”議員役”を本村氏が務め、アポイントメントの取り方や要請で持っていくもの、どのような話をするかなど確かめ合いました。

 集会の終わりに、参加者がそれぞれ刑法改正を目指すメッセージを書いた「OneVoiceキャンペーン」のカードを手に、集合写真を撮影しました。

(10月19日 しんぶん赤旗)