愛知県で8月1日から開かれていた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」が14日閉幕しました。企画展の一つ「表現の不自由展・その後」が政治的圧力や脅迫によって開会から3日で中止になりましたが、出展者や市民の運動で今月8日から再開しました。
再開した「不自由展」では、入場制限や報道規制のなか、6日間で1万3000人以上が訪れました。
最終日の14日、名古屋市中区栄で「検閲、補助金不交付、歴史改ざんをゆるさない」集会が開かれ、市民ら約50人が参加しました。
「不自由展」実行委員会の小倉利丸氏は「入場制限など不十分な面もあるが、不服申し立てや署名などで再開できた。今後、検閲など圧力が強まると思うが表現の自由を守るためがんばる」。東京から駆けつけた精神科医の香山リカ氏は「最近、排外主義やヘイト行動が強まり、自由な表現発表が困難になってきている。憲法が保障する表現の自由、思想信条の自由を守るため運動を広げよう」と訴えました。
会場前で8月6日から休館日と台風来襲日を除く毎日、スタンディング宣伝を行ってきた「表現の不自由展・その後の再開をもとめる愛知県民の会」。岩中美保子さんは「あいちトリエンナーレは終わったが運動は終わりではない。歴史の改ざんを許さず、文化庁の補助金不交付の撤回を求める運動を続ける」と語りました。
閉幕後、大村秀章知事らが記者会見し、トリエンナーレ75日間の来場者は約65万人で過去最高になったと述べ、「反省点はあるが、中止作品が再開できたことは、合格点をいただけるのではないか」と述べました。
(10月16日 しんぶん赤旗)