ニュース

美大生 再開署名を提出 不自由展 社会の不均衡に敏感に

署名提出後、会見する多摩美大生などの有志グループ=30日、名古屋市中区

 多摩美術大学を中心とする学生や研究者、市民などの有志グループが30日、「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示再開を求める署名を、河村たかし名古屋市長と大村秀章愛知県知事に提出しました。

 同日、「平和の碑」(「平和の少女像」)などの「表現の不自由展」が再開される見通しとなり、学生らは喜びの声をあげました。

 署名は主にネット上や街頭で活動を展開、日本語のほか、韓国・朝鮮語、中国語、英語、ドイツ語でも呼びかけました。30日までに、日本語だけで6200人近くから署名が寄せられ、外国語署名も200人ほど寄せられました。署名提出には、日本共産党の本村伸子衆院議員、池内沙織前衆院議員が同行しました。名古屋市への署名提出には、日本共産党の江上博之市議が同席しました。

 有志グループは、署名提出後に会見。多摩美術大2年の森下綾香さん(21)は「『平和の碑』の展示中止以降、戦時下の性暴力などに触れた声明は少ない。芸術家には、もっと社会の不均衡に敏感になってほしい」と強調、同大大学院1年の中尾江利さん(23)は「不自由展の中身がよくないと、文化庁は補助金を不交付にしたが、これが許されたら、他にもいくらでも応用できてしまう」と述べました。

 神戸市外国語大4年の李蔡麗潤(りちぇ・りょゆん)さん(23)は「『平和の碑』は、少女とのコミュニケーションを取れるように作られたもの。コミュニケーションが取れなくなることは許されてはいいけない」と思いを語りました。

(10月1日 しんぶん赤旗)