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ハンセン病 伝えたいこと あま市で元患者ら体験語る

 愛知県あま市で25日、ハンセン病問題を通じて人権を考えようと「つたえたいこと~ハンセン病について考えよう」が開かれました。あま市の主催。市民ら約600人が参加しました。

 国立駿河療養所(静岡県御殿場市)入所者自治会長の小鹿美佐雄さん(あま市出身)が、小学3年生の時に入所してから60余年に及ぶ生活について「入所者は刑務所の犯罪者以上の扱いで憲法が届いていない状態だった。職員も医療スタッフも不足し、軽症患者が重症患者の世話をしていた」と指摘。「1996年に『らい予防法』は廃止されたが、病気が治っても後遺症で社会復帰は困難。今の入所者の平均年齢は84歳。医療や介護が必要になっているが医師など職員が減っている。私たちに苦難を強いた国の責任で最後の一人まで世話すべきだ」と強調しました。

 集会では七宝、甚目寺南の両中学校の女子生徒が人権作文を発表。ハンセン病をテーマにした故・樹木希林さん主演の映画「あん」上映や「あん」原作者のドリアン助川さんと出演した女優の浅田美代子さんの対談も行われました。

 講演を聞いた女性(62)は「あま市は強制隔離に強く反対し、ハンセン病解決に尽力した小笠原登博士(医師)の出身地でもある。先人に学んでヘイトスピーチなど偏見と差別のない社会をつくりたい」と話しました。

(12月1日 しんぶん赤旗)