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新図書館立地 市民の声を 小牧 審議会が議論

 愛知県小牧市で27日、新図書館建設審議会(内野安彦会長)の第8回会合が開かれ、図書館の立地場所について議論を交わしました。事務局が?現図書館本館の増改築または同場所への新築、?名鉄小牧駅西の市営駐車場(A街区)に新築、?同駅西の複合ビル「ラピオ」への移設―の4案を示しました。

 市側は4案の建設費用を試算し各委員に提示。それによると現図書館の増改築の場合は35億2千万円、同場所の新築42億6千万円、A街区の新築40億円でした。ラピオへの移転だと11億4千万円に抑えられるとしました。
 建設にともなう現図書館の一時的な閉館期間については、現図書館の増改築・新築だと約2年間なのにたいし、ラピオ移設とA街区新築の場合はともに3カ月で済むとしています。
 ツタヤ図書館反対の住民投票に関わった委員から、今回の審議会は住民投票での反対多数を受けての審議会であることを肝に銘じてほしいと発言。税金の無駄遣いへの懸念など市民の声を反映した結論を出すよう求めました。
 小牧の新図書館をめぐっては、5年前に中野直輝前市長がラピオの空床に図書館を移転すると決定していましたが、その後当選した山下史守朗(しずお)現市長がラピオは第一義的に商業ビルだとし移転案を撤回し、ラピオに家具店「ファニチャードーム」を誘致していました。ところが今年12月末で同店が撤退を表明し、新図書館の候補地として再浮上していました。
 ラピオは市の第3セクターである「小牧都市開発」が運営しています。小牧都市開発は市にたいしラピオ空床に子ども・子育ての施設を設置するよう求めています。

 審議終了間際、女性委員が、小牧都市開発が市にたいしラピオ空床に子ども・子育ての施設を設置するよう求めており、新図書館誘致を暗に否定するよう誘導していることについて「なし崩し的に別の施設を誘致しようとしている」と市の対応を批判しました。
 市事務局は、各委員に経過の詳細を後日届けると答えるにとどまりました。次回以降、本格的な議論が展開されることになります。
(7月29日 しんぶん赤旗)