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リニア名古屋駅建設 立ち退き、拒めます

 
 「リニアは国家的事業といってもみなさんに協力義務はありません。立ち退きは拒否できます」―。JR東海が進めるリニア中央新幹線の名古屋駅建設で買収対象になっている地権者らが参加した立ち退き問題の学習会(16日)。講師がこう訴えました。住民に十分な説明もしないまま、強引に押し切ろうとするJRに批判の声が出されました。(今村一路)

■ 買収対策 地権者ら学習会
 学習会を主催したのは、リニアを考える愛知県連絡会。名古屋市中村区の会場に25人が集い、講師の樽井直樹弁護士から土地の権利に関する話を聞き、質疑応答しました。
 JR東海が造ろうとしている駅は、既存の名古屋駅に直交し、東西1?にわたって開削工事を行う計画です。JRは、委託した名古屋市の外郭団体「名古屋まちづくり公社」とともに、地権者に土地の買収を迫ってきています。

■ 応じる義務なし
 地権者の中には、用地補償のための家屋調査を求められた人もいます。「応じたら認めたことにされそう」という地権者に、樽井氏は「買収に応じるかどうかを決める前に、家屋調査に応じる義務はありません」と応じました。
 さらに、「土地収用法」までちらつかされた人もいて、強制的に買収されるのではという不安もだされました。樽井氏は「土地収用法の適用は簡単にはできません。最初から強制収用を示唆するなど、話し合う気があるのか疑問です」と指摘しました。
 「平成31年(2019年)3月までに更地にしたい」「代替地を紹介されたが、いやなら自分で探して」などJRの勝手な都合で立ち退きを迫られている状況も紹介されました。ある地権者は「居住者、店子など条件の違うグループごとの説明を提起したが受け入れられなかった」と、JR側の冷たい姿勢を批判しました。

■ 説明会の開催を
 樽井氏は「立ち退きを求めているJR東海に、住民に対してまともに説明させることが大切です。関係する地域住民が分断されないように、同じ状況の人が協力して立ち向かいましょう」と提起しました。
 「中村・リニアを考える会」は昨年末、JR東海に対して、情報公開と説明会の開催を求める要望書を提出しています。参加者は今後も相談・学習の場を持っていくことを確認しました。「中村・リニアを考える会」に4人が入会しました。
(3月27日 しんぶん赤旗)