名古屋市営地下鉄の東山線で可動式ホーム柵が今月中に全駅で稼働するのを前に、愛知視覚障害者協議会(梅尾朱美会長)のメンバーらは17日、新栄町駅で可動柵の設置状況を調べました。
1日の利用者が100万人近い東山線は、市営地下鉄で最も混雑する路線。視覚障害者から一刻も早く可動柵の設置が求められていました。昨年7月から西端の高畑駅から工事を開始し、名古屋駅、栄駅など順次稼働していました。東端の藤が丘駅は今月14日に柵の設置を終え、配線や点検をすませ29日から稼働予定です。
新栄町のホーム柵を手で触って感触を確かめた視覚障害者の一行は、柵上部に貼り付けてある点字シールを触れて満足そうに笑みを浮かべます。この点字シールは、自分のいる場所が、何両目の何番目のドアであるかがわかるもので、梅尾さんらが市との交渉で設置させたものです。
ホーム柵が未設置の名城・名港線は2020年度に稼働の予定で、名鉄と乗り入れている鶴舞線については未定です。
梅尾さんは「名城・名港線の前倒しと鶴舞線の設置計画を早く出すよう市に求めたい」といいます。一方、JRや名鉄、近鉄でホーム柵の設置計画がすすんでいないことに憤りを隠しません。「事故を防ぐ手立てははっきりしているのに、民間企業は人の命を何と思っているのか」
可動柵の設置で視覚障害者と一緒に署名・宣伝してきたNPO法人「愛知健康センター」の鈴木明男事務局長は「補助金を充実させるなど国の指導でJRや私鉄につくらせることが必要」と話します。
(2月19日 しんぶん赤旗)