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三菱は強制労働を謝れ 女子挺身隊訴訟 韓国の原告ら訴え

 
 第2次世界大戦中に朝鮮半島から日本にだまされて連行され強制労働させられたことに謝罪・賠償を求めている名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身(ていしん)隊訴訟の原告が10日、来日し、名古屋市内で同弁護団と支援者による集い「原告に笑顔を」が開かれました。会場満席200人の市民らが参加しました。

 原告のハルモニ(おばあさん)らは、「日本に来れば学校へ通え、家1軒分のお金がもらえる」などのうそにより、三菱重工などで無賃金の強制労働をさせられました。同訴訟は日本では敗訴していますが、韓国の光州高裁は今年6月、被告の三菱重工にたいし損害賠償を命じる判決を出しています。被害者が高齢になるなか、この判決に学ぼうと開かれた集いです。

 梁錦徳(ヤン・クムドク)さん(84)が原告女性を代表しあいさつ。「名古屋の支援者に感謝の気持ちでいっぱい。安倍首相から謝罪の言葉を勝ち取るまでがんばりたい」と訴えると拍手に包まれました。

 「ハルモニとともにする市民の会」の李國彦(イ・クゴン)さんは「日本で敗訴した裁判は無駄ではなく、その結果が韓国高裁の勝訴に実を結んでいる」と強調。「韓国最高裁で三菱の敗訴が確定すれば、韓日政府が戦後70年放置してきた問題が両国の外交課題にならざるを得ない。いま、夜が明けようとしている」と展望を語りました。一方、今回の提訴は強制連行のごく一部であり、裁判以外の方法での救済策が必要と指摘しました。

 妹が名古屋に強制連行された金中坤(キム・チュンゴン)さん(92)も発言。「日本にあこがれ勉強しに東京に来たが、韓国で日本兵として徴用されるために帰国せざるをえなかった。入れ替わりに妹が名古屋に強制連行され、地震に遭い死んでしまった」と声を詰まらせ、日本の加害企業は責任を果たしてほしいとのべました。

 内河恵一弁護団長は日韓間が難しい問題に直面する中で悲観的になりがちだがとしながら「歴史は必ず変わる。日本の植民地支配の被害を受けた人が補償される状況を生み出そう」と呼びかけました。

 日本共産党の本村伸子衆院議員があいさつしました。

(10月11日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)