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反核医師の会NPT会議を報告 核兵器廃絶の流れ進む

 
 第9回核不拡散条約(NPT)再検討会議・ニューヨーク国際共同行動に参加した愛知県内の医師らが13日、名古屋市内で報告会を開き、医師・歯科医師、医学セリでおこなった核兵器廃絶国際共同行動の報告会を開き、医師・歯科医師、医学生ら54人が参加しました。

 報告したのは、「核戦争に反対する医師の会・愛知」の3人です。同会は1982年に「核戦争は最大の健康と環境に対する破壊。核戦争の予防に力を尽くすことが、患者の命と健康を守る医師の役割」と結成。県内の医師、歯科医師400人が参加しています。

 同会世話人でもある報告者は、633万人分の「核廃絶アピール署名」の国連への提出行動、タイムズスクエアでの街頭署名行動などの取り組みを紹介し「核廃絶へ、国民平和大行進、原水爆禁止世界大を成功させよう」と訴えました。

戦争の非人道性
 報告では世界各国から260人が参加した「医療と福祉関係者のつどい」で論議になった「患者保障のための利用法(オバマケア)」と言われるアメリカの医療保険問題を紹介し、日本の環太平洋連携協定(TPP)参加の医療分野への影響などについて報告し、「核とともに戦争は最大の非人道的なもの。核兵器廃絶とともに国会審議中の戦争法案を許さない運動も同時に取り組もう」と強調しました。

 会事務局長はNPT再検討会議の意義や成果について「最終文書が採択されなかったのは残念だったが、オーストリアが提唱した核兵器禁止への誓約文書(人道への誓い)の賛同が107カ国以上に広がり、159ヶ国連盟の共同声明が発表され、核廃絶の流れは進んでいる」と強調しました。

 3氏の報告に先立ち、中学生の孫と国際共同行動に参加した県原水爆被災者の会の水野秋恵事務局長が「被爆70年の今、伝えたい被爆者の思い~NPT再検討会議に参加して」と題して講演しました。

 パレードに熱気
 水野さんは5歳の時に広島での被爆体験を語り、「核兵器は生きているものすべてを殺りくしてしまう狂気の兵器です。人間とは共存できない」と話し、「世界各地から集まった1万人のパレードに核廃絶の熱気を感じた。世界の人々と連携し、戦争も核兵器もない平和な世界を次の世代に渡したい」と述べました。

 参加者から「誓約文書に被爆国の日本政府がアメリカなど核保有国と一緒に反対したのは残念」「安倍政権はNPTでも戦争法案でもアメリカの意向でやっている。唯一の被爆国として情けない」と意見や感想が出されました。

(6月18日)