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ブラック企業調査 党と労働局の懇談で判明

 

日本共産党愛知県委員会は5日、名古屋市中区の愛知労働局を訪れ、「ブラック企業調査」の説明を受け、懇談しました。
調査した事業所のうち8割に法令違反があったことが明らかになりました。

愛知労働局は昨年9月、「過重労働重点監督月間」とし、若者の「使い捨て」が疑われる337事業所を集中的に調査しました。その結果266事業所(全体の78.93%)に何らかの法令違反があり、是正勧告書を交付しました。違法な時間外労働が156事業所(同46.3%)、賃金不払い残業があったのは57事業所(同16.9%)ありました。

 党県委の本村伸子ブラック企業・雇用対策チーム責任者らは「どのように調査対象の事業所を選んだのか」を質問しました。
 労働基準部監督課の加藤善士課長は「日常的に相談や違反情報が多く寄せられており、これらの情報を検討して、法令違反の可能性が高い事業所を調査対象とした」と説明しました。

調査した業種別では製造業が118事業所(35.0%)で、法令違反は96事業所、次いで運輸交通業が53事業所(15.7%)で法令違反48事業所でした。加藤課長は「製造業では生産の季節変動が大きく、繁忙期に長時間労働になっている」と答えました。
 
時間外・休日労働時間では、過労死ラインといわれる1か月80時間以上の時間外労働が149事業所、そのうち100時間を超えるのは86事業所ありました。
本村氏らは「驚くべき数字だ。厳しく取り締まるべきではないか」と求め、加藤課長は「過労死がないように監視・監督を強めていく」と語りました。

本村氏は「法令違反の事業所が、是正勧告に従ったかどうか、後日調査しているのか」と問いました。

 加藤課長は「勧告した事業所には改善したかの報告を義務づけている。法令違反の軽重にもよるが、賃金未払いなどは1カ月を目途に報告を求めている。報告内容が不十分、報告に疑問を感じたら、抜き打ちで事業所の立ち入り調査をやっている。悪質な場合は法律に基づき処罰している。昨年度は63件あった」

 本村氏は「根本的な解決には労働法制の改正やブラック企業の規制が必要」と述べ、加藤課長らに日本共産党が国会に提出したブラック企業規制法案を手渡しました。