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支援強化求め「被爆者行脚」 名古屋市と懇談 全自治体へ

 

 愛知県原水爆被災者の会(愛友会)を中心に被爆者が被爆者支援策の強化を求め、県内の全自治体を訪問・懇談する「被爆者行脚」が10月24日から始まりました(11月7日まで)。毎年行っている行動で、45回目です。

 名古屋市在住の原爆被爆者らは24日、名古屋市を訪れ、市の担当者と懇談しました。
 要請した内容は、「被爆者援護法の改正」と「核兵器全面禁止のアピール」の2つの署名への河村たかし市長の賛同、平和教育への推進など6項目です。

 あいさつに立った名古屋市原爆被爆者の会の堀三郎会長は「名古屋は被爆者支援が他自治体に比べ遅れている。岩倉市など県内の多くの自治体で被爆者が広島市や長崎市の原爆専門病院へ診察を受けに行く支援制度がある。名古屋市にはなく、市内に住む960人の被爆者は制度を強く望んでいる」と強調しました。

 会相談役で被爆者の沢田昭二名古屋大学名誉教授は「2010年に国連で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれて以降、核兵器廃絶への国際的な流れは大きく変わっている。日本でも世界でも非核都市宣言や平和市長会議への加盟が急増している。名古屋市は積極的に対応してほしい」と訴えました。

 応対した市健康福祉局の水谷正人障害企画課長らは「河村市長から『核兵器廃止の願いが同じだが、署名は差し控えさせていただく』の回答を託された」

「被爆者のみなさんから話を聞いて、今後の施策に生かしたい」と述べるにとどまりました。

 参加した被爆者は「政令市のなかで平和市長会議に加盟していないのは名古屋市だけ。河村市長の平和行政をすすめる姿勢が問われている」「静岡県では被爆2世に無料で年2回のガン健診を実施している。名古屋市でも被爆2世の医療費助成を検討しほしい。最低でも被爆2世の人数など実態を把握すべきだ」「原爆パネル展を名古屋市主催で実施してほしいが、市の施設で開いている『原爆絵画展』の会場費くらいは支援してほしい」などと求めました。
 
日本共産党の、わしの恵子、岡田ゆき子の両市議が同席しました。(10月27日)