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公的保育壊す新システム 名古屋子育ての集いに1000人

 

 国が公的保育制度の解体をねらい「子ども・子育て新システム」を押しすすめようとするなか、保育のあり方を考える「第18回あいち保育と子育てのつどい」が5月27日、名古屋市中村区の同朋高校で開かれました。テーマは「輝け 子どもの笑顔! つなげよう 平和へのねがいを」。

 愛知保育団体連絡協議会(愛保協)などでつくる実行委員会が主催したもので、会場の同校体育館には開会前から、愛知県内の保育士や父母が次々と訪れ、会場に入りきれないほどの1000人以上が参加しました。

 全体集会で実行委員長の水谷暎子氏は「新システムが『税と社会保障一体改革』の関連法案として国会審議中。公的保育制度の解体を許さないため、新システムNOの大運動の輪を広げよう」と訴えました。

 福島大学の大宮勇雄教授が「子ども時代を豊かに生きる~子ども観が変わると子育て・保育が変わる」と題して講演。大宮氏は新システムについて「よい保育を受けるのは子どもの権利。新システムで市町村の保育責任がなくなり、保育の質が低下する。子どもの権利が奪われる」と厳しく批判しました。

 参加者全員で「平和のおたより」などを大合唱。「食の安全を考える~TPPから放射能汚染まで」「子どもの絵本」など24講座・分科会で交流しました。

 参加した名古屋市の保育士(31)は「名古屋市は保育園の待機児対策として企業参加をやろうとしています。営利を追求する企業参入は様々な問題があります。保育事業は市の責任でやるべきです」と話しました。3歳の子どもを連れて参加した女性(29)は「講演を聞いて新システムがよくない制度だとわかりました。子どもたちのため親が繋がって反対の声をあげることが大切です」と語っていました。(5月29日)