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【05.11.20】愛知万博 経済効果7兆7000億円というが…実感わかず

11月20日「愛知民報」

 「万博効果7兆7000億円。実感ないよ」―。そんな声とため息が出るのが、このほど日本国際博覧会協会が発表した愛知万博の経済効果です。

東京の大手に

 巨費が動いたことに間違いありませんが、地域の中小業者や労働者が潤ったという話は聞かれません。協会の試算では、万博関連の建設投資は約2兆6千億円。97年以降年間2千億円から5千億円台のGDP(国内総生産)を生んだと計算しています。

 ところが、地元愛知の建設業の総生産は、97年度2兆2068億円から02年度には1兆9534億円にダウン。県内の小規模業者でつくる愛知県商工団体連合会の杉原保教事務局長は「万博の仕事は東京の大手が持っていって地元にメリットはなかった」と言います。

雇用者報酬ダウン

 「7兆7千億円、どこにいったのか。労働者の家計に回ってきていない」というのは愛知県労働組合総連合の榑松佐一事務局長。愛知の雇用者報酬は、万博支出がはじまった97年以降、減少傾向をたどっています。万博で雇用が増えても、多くがパート、派遣、契約など低賃金の不安定雇用。「万博効果はあったとしても一時的」という榑松さんは、労働運動なしに雇用と生活の改善はありえないと労働運動の大切さを強調します。

借金のツケは

 博覧会協会の運営費は予想を上回る収入で黒字になったものの、それをささえた会場建設費や交通基盤整備費の大半は自治体と国の借金。
 万博を誘致した愛知県の今年度末県債残高は一般会計で約3兆7700億円。県政史上空前の借金です。1日当たり2億円が利子払いに消える勘定です。
 神田県政は今年度予算で、敬老祝金の88歳支給を廃止し、私立高校生授業料補助の所得制限を強化しました。

生活実態から検証

 林のぶとし日本共産党前県議は「残された借金はだれが返すのか。人類の進歩に貢献すべき万博が福祉後退をまねいているのは理念に反している。経済効果がどこに、どのように波及したのか、県民生活と県政の実態から検証する必要がある」と話しています。