愛知民報

【17.6.11】「子どもの貧困」対策 県内の日本共産党議員の取り組み

 愛知民報社はこのほど、県内市町村の日本共産党議員を対象に、「子どもの貧困」問題の取り組みと対策の前進についてアンケート調査をおこないました。成果の一部を紹介します。

 

就学援助の拡充

 経済的に苦しい家庭に制服や学用品費、修学旅行費などを支給する就学援助制度。認定基準を生活保護基準の1・3倍以上にしている市町村が県内に20あります。
 支給時期が後払いのためいったん立て替えなければならない問題で日本共産党は、前倒し支給を求めてきました。岡崎市では来年4月の入学時から前払い支給が実現、扶桑町では中学入学時の学用品費を3月支給に変更させました。知立市では小中学校の該当者に事前通知し、前倒し支給を実施しています。
 名古屋市、豊川市では共産党議員の質問で市側の前向き答弁を引き出しています。豊田市では、新入学学用品費が約2倍に引き上げられました。

学校給食費を補助

 学校給食費の補助をおこなっている自治体があります。半田市では、今年4月から経済的困難の家庭の児童(要保護・準要保護)の給食費全額支給が実現。従来は準要保護児童は2割自己負担でした。大口町では、所得制限なしの学校給食費半額補助、保育園・幼稚園給食の主食相当分補助、特別支援学校給食費の半額補助が実現しました。
 岡崎市では昨年度と今年度、小中学校の全学年で4月の1カ月間のみですが、給食費の全額補助を実施しました。

給付型奨学金

 豊橋市では市内の高校を卒業した学生を対象に給付型奨学金制度が創設されました。
 大口町は、高校生対象に3年間年5万円の給付型奨学金、貸与型奨学金を借りて返還している人を対象に年1万円を3年間補助する制度が実施されています。

通学かばん自由化

 春日井市では共産党議員の質問で、小学生がランドセル以外のかばんで通学することを市当局に認めさせました。

医療費の負担軽く

 子どもの医療費の無料制度は、54市町村中46市町村で中学卒業まで無料化されています。日本共産党は議会質問、条例提案、請願紹介などをおこない、対象拡大に力を尽くしてきました。
 豊橋市では今年12月から中学卒業まで医療機関の窓口無料化が実現します。南知多町は今年4月から18歳まで窓口無料化しました。18歳までの助成制度は1市4町1村で実施されています。犬山市では中学卒業後は自己負担1割になります。
 妊産婦の支援では、春日井市では産後8週以内に受けた健診1回分(上限5000円)の助成制度が実現しています。

学習支援事業

 生活に困窮している家庭や、ひとり親家庭の児童・生徒を対象とした学習支援事業(「無料塾」)を実施する市町が広がっています。
 大治町では、中学3年を対象にした町による学習支援「スタディーサポートクラブ」が実現。昨年度は23日間実施されました。豊田市では、市の学習支援事業の実施場所が2カ所から3カ所に増えました。豊川市では、中学1、2年を対象にした学習支援事業が実現。春日井市では、今年度から市内2カ所で無料塾が事業化されました。

独自の貧困調査

 扶桑町は町民税の課税データにもとづき、独自の子どもの貧困率調査を実施。16・3%が貧困線(1人当たり年122万円)以下であることを明らかにしました。蒲郡市も同様の調査を実施、18・3%でした。

 

県をあげた支援強化を 日本共産党愛知県議 わしの恵子

 子どもの貧困の深刻化は雇用・福祉破壊による親の貧困によるもので、世代間の連鎖を断ち切る必要があります。
 私は昨年6月、9月の県議会健康福祉委員会でこの問題を取り上げ対策を県に迫りました。
 ひとり親家庭に対する児童扶養手当の第2子以降の増額、支給対象を現行の18歳までから20歳未満まで拡大して大学進学等の支援を図ることを提案しました。
 貧困家庭の子どもたちの支援を行う学習支援事業や子ども食堂のニーズも高いものがあります。県に実態を把握し、支援を強めるよう要求しました。
 児童虐待や経済的事情など、保護者と一緒に生活することができずに児童養護施設に入っている子どもが原則18歳になったら退所しなければならないことを取り上げ、大学進学をあきらめたりすることがないよう、継続した支援を求めました。
 放課後学童クラブ(学童保育)への支援も要求しました。
 子どもたちに必要な支援が行き渡るよう、県をあげた対策を求めていきます。