愛知民報

【17.05.21】市民と野党 スクラム 安倍発言 9条死文化、武力行使無制限に 9条改憲阻止を

 現行の憲法9条に自衛隊明記の第3項を加えた改定憲法を2020年に施行するという安倍首相の改憲発言(3日付読売新聞)に、県内各地で共謀罪法案廃案(2面)とともに安倍改憲阻止の動きが広がっています。連休明け国会で小池晃日本共産党書記局長は安倍改憲は「9条2項を死文化し、海外での無制限の武力行使を認めるものだ」と告発。同党は15日、「憲法9条改悪阻止闘争本部」を設置しました。

 

青年アンケート「9条変えるべきでない」半数

 若者の9条観はどうでしょうか。
 愛知県平和委員会青年学生部が3日、名古屋駅前で若者約100人を対象におこなった街頭アンケートによると、9条を「変えるべきでない」が50%、一方、「変えるべきだ」は8・8%にとどまりました。安倍改憲発言の焦点になっている戦力不保持・交戦権否認の9条2項についても、「変えるべきでない」が53・9%あり、「変えるべき」12・8%の約4倍でした。
 日本国憲法のもとで育ってきた若者は9条派が多いと言えます。
 同時に、いずれの質問にたいしても「わからない」が半数近くを占めています。平和運動家は言います。「若者は戦争賛成ではありません。9条を生かした平和の展望を語り合い、改憲阻止の圧倒的な若者の世論をつくりたい」

 

「暴走・ボロボロの安倍政権打倒」

 

 

 名古屋市港区の、みなと革新懇は13日、野党の国会議員らを招き共謀罪法案反対、安倍政権打倒をアピールする集会「今、明日を語ろうトークアクション」を開きました。全員で「野党は共同、市民と共同」「憲法改悪は許さない」「暴走ボロボロ安倍政権を打倒しよう」と声を一つにしました。
 民進党の牧義夫衆院議員は政治の劣化や安倍改憲について発言。「安倍さんは立憲主義・民主主義を理解できていない総理。国民主権の精神がないがしろ。任せておけない」と強調。
日本共産党の本村伸子衆院議員は、「物が言えない社会にして憲法9条を変え、アメリカと一緒に戦争をやったら、日本はテロの標的になるリスクが高まる」と警告しました。
 自由党の近藤靖治県連副代表、社民党の小林正和名南支部長、緑の党・東海の岸孝憲運営委員もあいさつ。反戦平和への思いや安倍政権打倒に向けての決意を表明しました。

 

「市民と野党の共同を強化し、豊かにしよう」 渡辺治一橋大名誉教授名古屋で講演

 

 憲法改悪反対愛知共同センターは16日名古屋市内で、「憲法を守り生かす学習会」を開きました。渡辺治一橋大学名誉教授が「安倍政権の改憲戦略の新段階と運動の課題」と題して講演しました。
 渡辺氏は、安倍首相が明文改憲に執念を燃やす理由を、①戦争で疲弊している米国からの圧力②アジアの大国化をめざす安倍首相の野望―と指摘。また安保法制=戦争法の現状について、「軍法も軍法会議もつくれない。憲法9条がある限り限界がある」と述べました。
 改憲を阻む運動の方向性では、「戦争法反対・廃止を求める幅広い市民と野党の共同が全国でできたことが安倍改憲を阻む大きな力になっている」と強調。今後の課題として「共同の受け皿を大きくすること、暮らしの問題などお皿に盛る〝料理〟=対案を豊かにする共同の前進が必要」と述べ、安倍政権打倒の運動に全力をあげることを呼びかけました。