愛知民報

【17.12.10】障がい者就労継続支援A型解雇問題(上) 一方的首切り、不審な〝倒産〟 きょうされん愛知支部事務局長 大野健志

 一般企業への就労が困難な障がい者に就労の機会を提供する「就労支援A型事業所」で大量解雇が発生しています。障がい者事業所の共同組織きょうされんの大野健志事務局長のリポートを紹介します(2回連載)。

賃金未払い

 7月25日に給料を支払わなかったのは、名古屋市北区に本社を置く株式会社障害者支援機構(菊谷浩二代表取締役・2013年1月設立、現在は破産申立受理)が運営する就労継続支援A型事業所(障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス)でした。
 雇用されていたのは障がい者153人と職員32人の合計185人(うち清須市と名古屋市の事業所で雇用されていた障がい者は68人、職員は13人の合計81人)。その日から働く場所も、ともに働く仲間も失いました。
 8月1日に代表取締役の菊谷氏は、説明会で、「事業所の資金繰りが出来なくなった。8月31日をもって全員解雇。遅配になっている6月分の給料は8月15日に間違いなく支払います。7月の給料を9月15日に支払います。8月分は休業補償を行います。残っている有給休暇は8月に充てます。みなさんの行き先を見届けます」と発言しました。
 しかし名古屋市が同社事業所の廃止届を受理した11月14日現在、6、7、8月分の給料は未払いのまま。名古屋市北区にあったA型事業所「パドマ」を解雇された労働者は55人。うち、現在も新たに働く場が見つかっていない障がい者は21人です。

怠慢経営批判

 同社の「資産及び負債一覧表」によると、資産は約2200万円、負債は約1億300万円で差し引き約8100万円の負債となっています。前期の決算書類によると、売上高は2億7900万円(月平均2325万円)、当期純損失は4662万円です。
 8月1日の説明会に参加した障がい者は「怠慢経営だったんじゃないのか。金儲け主義だ」と発言しています。ある職員は「会社名義で高級車を購入。清須市の事業所2階に神社・仏像が設置され数千万円以上の経費がかかっているはず。宅配便でグッズがたくさん事業所に届いた。大きなお金が入ってくると自分のお金と勘違いして私的なことに散財していたのでは」と証言しています。
 障がい者の雇用契約は、「時間給は最低賃金」「昇給なし」「賞与なし」「社会保険加入を必要としない範囲での短時間勤務」「交通費支給なし」「退職金なし」というものでした。

同一人物

 障害者支援機構立ち上げ時に、「㈲YSKサポート」の小屋迫佳華社長は、1000万円を貸し付けて常勤取締役として年360万円役員報酬を得ていました。小屋迫氏は、今年3月22日で障害者支援機構の取締役を倒産前に辞任。その一方で小屋迫氏の妻が代表を務める「㈱YSK生涯サポートセンター」として11月1日付で就労継続支援A型事業所を名古屋市西区の自社ビル内に設置しています。     (つづく)