愛知民報

【16.02.07】最賃では生活できない 愛労連 抜本的引上げへ、実体験

 愛知県労働組合総連合(愛労連)は1月27日、名古屋市熱田区で、組合員から参加者を募って2月1日から29日まで行う最低賃金(最賃)生活体験のスタート集会を行いました。
 愛知県の最賃は時給820円。最賃生活体験とは、最賃以内で実際に暮らせるのかを検証するもの。収入は、最賃820円で1日8時間、週休2日で月22日就業すると得られる14万4320円。生活費は、厚生年金、健康保険、雇用保険の各保険料、所得税、住民税を差し引いた11万8011円です。
 参加者は、全支出を家計簿に記入し、生活費が最賃を超えないように努力します。しかし、昨年は参加者のほとんどが最賃をオーバー。厳しさから最賃生活が1カ月間続かない人もいました。
 参加者らは「最賃水準の収入では、健康で文化的な生活は不可能。ナマの声を国や企業に伝え、最賃を大幅に引き上げたい」と決意表明しました。
 愛労連の知崎広二事務局長は、愛知地方最低賃金審議会に提出する「全国一律、時給1000円以上の最低賃金の実現を求める署名」への協力を呼びかけました。 
 林克静岡県労働組合評議会議長が講演。静岡県の最賃は時給783円と低いために、若者が同905円の神奈川県や同820円の愛知県へ流出していくとして、全国一律の最賃が必要と指摘しました。