愛知民報

【14.02.23】?靖国派?なりふり構わず 石川康宏教授 「戦争の肯定はまずい」 建国記念の日 不承認のつどい

 
 安倍首相が2月11日の建国記念の日にあたり、国民にメッセージを発表したことに批判が起きています。首相が同日にメッセージを出すのは歴代初。その内容は、?日本を海外で戦争する国?につくりかえる首相の積極的平和主義にたったもの。

 建国記念の日は、神話にある神武天皇即位の日を「日本建国の日」とした戦前の「紀元節」を復活させ、戦争を支えるイデオロギーを国民に押し付けるねらいをもっています。

 自民党と安倍内閣は集団的自衛権行使容認や天皇を元首とする憲法制定をめざしています。首相は昨年12月、過去の侵略戦争を肯定・美化する靖国神社に参拝し、国内外から強い批判を浴びました。

 愛知県内の歴史研究者や教職員組合などの実行委員会は11日、名古屋市内で「建国記念の日不承認」のつどいを開き、約280人が集まりました。

 石川康宏神戸女学院大学教授が講演。昨年7月14日、靖国神社の「みたままつり」で多くの国会議員が提灯を奉納したことを紹介し、「侵略戦争を肯定する?靖国派?が一定の力を持っている」と指摘しました。

 一方で、米政権が安倍首相の靖国参拝に「懸念」を表明し、また2年連続で日中貿易が縮小するなど、靖国史観が「アメリカ言いなり、財界第一の政治」と矛盾するようになっていると強調。「安倍政権の暴走は、アメリカや財界との矛盾に危機感を持った靖国派のなりふり構わぬ抵抗と一体だ」と述べました。

 そのうえで、石川氏は「戦争を肯定・美化する方向はまずいという思いを国民多数で共有しましょう。新しい政治の指針は現憲法です」と力説しました。