愛知民報

【13.07.07】安倍政権の 『成長戦略』 ねらいは?首切り自由? 労働法制愛知連絡会が学習会

日本が「ブラック企業」化

 安倍政権は、アベノミクスの『成長戦略』で「世界で一番、企業が活動しやすい国」をつくると宣言しています。その内容は、多国籍大企業の利益を優先し、労働者の権利を守る法規制を緩和、骨抜きするもの。

 安倍政権が導入をねらう「限定正社員」とは、職務や勤務地を限定し職務廃止や事業所閉鎖時に解雇できるもの。また、金銭による解雇の自由化、派遣労働のいっそうの拡大、裁量労働制の拡大と事務系労働者を労働時間規制の対象外にして残業代を払わない「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入など、?ただ働きと長時間労働、解雇自由の国?もねらわれています。

 日本共産党は、こうした労働規制緩和を許せば「日本社会全体が『ブラック企業』化し、?働く人が世界一住みにくい国?になってしまう」と訴えています。

 労働法制愛知連絡会が6月27日に行った学習会で、全国労働組合総連合の井上久事務局次長と東海労働弁護団の樽井直樹弁護士が講演しました。

 井上氏は、首相の諮問機関「規制改革会議」が6月5日に出した答申と安倍内閣が6月14日に閣議決定した規制改革の実施計画で、限定正社員の雇用ルールを2014年度中に整備、労働者派遣法の緩和も13年度中に検討すると明記したことを紹介。

 「子育てや介護などの家族の問題を理由に『限定正社員』の選択が強要され、賃金や労働条件が切り下げられる。正社員は文句も言えず世界中どこにでも転勤させられ、労働時間も無限定になる。この制度が最初に適用されるのが今も就職難で苦しんでいる青年たち」と指摘しました。

 樽井氏は「貧困と格差拡大の背景には、憲法が国に求める生存権、教育を受ける権利、勤労権、労働基本権の保障が後退、形骸化していることにある。とくに勤労権は?人たるに相応しい働き方?という考え方。『あるべき雇用社会』の対案をかかげてたたかおう」と呼びかけました。