愛知民報

【13.06.02】名古屋の宝「敬老パス」 経済効果500億円 若い世代も支持

河村市長はただちに見直し中止を

 名古屋市の河村たかし市長は、「名古屋市民の宝」と言われる敬老パスの見直し作業をすすめています。しかし、市が行った市民アンケートでは、現行制度を圧倒的な市民が支持。経済効果は500億円にも及ぶことが明らかになりました。市民のなかから「河村市長は、見直し作業を一刻も早く中止してほしい」の声が上がっています。

 市は1月、民間調査機関に委託して市民アンケートを実施。65歳以上、20~64歳のそれぞれ3000人に郵送し3387人が回答。アンケート集約と分析の最終報告書が5月に公表されました。

 経済効果は500億円以上と試算。2011年の事業費121億円の4倍以上の効果となります。

 3月の中間報告では、直接の経済効果は敬老パスで外出する際の消費額316億円と算出されました。

 最終報告では、間接的な経済効果を算出。敬老パスを使って外出した高齢者の買い物や飲食は、商店や問屋の売り上げ増、さらに売り上げが賃金などで個人消費に向かう効果を生み、その総額は500億円に及ぶと試算されました。

 また、これによる市の税収効果は5・8億円。国税・県税を含めると税収効果は42・9億円にもおよびます。

 また、報告書は北区の上飯田連絡線の地下鉄上飯田駅から名鉄味鋺駅までの区間(運行は名鉄)に敬老パスを適用した場合、必要な財源は1296万5千円と試算しました。 

「将来使ってみたい」

 市民アンケートの集計結果では、65歳未満の世代も現行制度を支持。「自分も将来使ってみたい」「よい制度」の合計は85%を占めました。

 敬老パスの対象年齢は「現行の65歳以上で」が70%。一部負担金は「現行のままで」が52%でした。

結果尊重せよ  伊藤良孝・愛知年金者組合委員長の話 

 敬老パスを利用者の78・9%が年収200万円以下です。高齢者が気軽で元気に外出するための敬老パスはますます重要です。名古屋市はアンケート結果を尊重し、見直しをやめるべきです。

県内のバス普及をリード

 名古屋市の敬老パス制度は、名古屋市外の自治体でコミュニティバス普及をリードする役割を果たしました。

 広範な住民と日本共産党が共同し、市町村に公共交通空白地域の解消や高齢者の外出支援策を求め、コミュニティバス運行や既存バス路線への公的支援などで、地域交通を再建しています。

 現在、名古屋市を除く県内53市町村中コミュニティバスを運行しているのは44自治体。その大半が、運賃が無料または100~200円。高齢者や運転免許自主返納者への優待制度を導入している自治体もあります。

“福祉日本一”の象徴

 敬老パスは1973年、本山政雄革新市長のもとで65歳以上の市民に無料で支給されたのが始まり。同制度は“福祉日本一”と呼ばれる革新市政の象徴でした。

 自民、民主、公明各党が与党の松原市政は、04年に敬老パスの有料化を強行。議会で反対したのは日本共産党だけで、一部負担が導入されましたが、それでも市民の運動で65歳支給を守らせました。

 河村市政は11年10月、“福祉壊し”の「事業仕分け」で敬老パスを「見直し」判定とし、現在、見直し作業をすすめています。

 年金者組合などの市民団体が“現行制度を守り充実せよ”と大運動。今年4月の名古屋市長選挙でも、革新市政の会の柴田民雄候補が「敬老パスの現行制度維持と充実」を訴えて論戦をリードし、河村市長を追い込んでいます。 

※名古屋市の敬老パス

 65歳以上の人が、交付時に所得に応じ1000円・3000円・5000円を払えば、地下鉄・市バスに1年間乗れる。所得制限や利用限度額はない。