愛知民報

【12.01.22】愛労連 生計費調査 25歳単身 年267万円に

賃上げは当たり前 春闘スタート

 愛労連・愛知春闘共闘は6日朝、トヨタのオフィスがある名古屋駅前で宣伝し、2012年春闘をスタートさせました。
 

 名古屋市に住み同市中心部の会社に勤務する労働者が健康で文化的な生活をするため必要な最低生計費の年額は、25歳の単身者で267万8760円、40代夫婦と子ども2人で629万8044円―。愛知県労働組合総連合(愛労連)の調査結果がこのほど発表されました。

 調査は同市熱田区に居住し自家用車を所有しないことを前提に、組合員518人から回答を得ました。

 「生活実態」「持ち物財」「価格」調査を連続して行い、最低生計費を試算しました。

 「生活実態」は、年齢と世帯構成、家賃、雇用形態や勤続年数、社会保険の加入状況、食事の摂り方と費用、余暇や交際の費用、充実したい消費支出など。

 「持ち物財」は、寝具・家事用品、被服や履物、身の回り用品、教養娯楽品、交通手段や通信機器、理美容用品、保健医療用品・器具などを調べました。

 その上で、「価格調査」を実施。「生活実態調査」と「持ち物財調査」で7割以上の人が持っていた手持ち財について、名古屋市の大型量販店や専門店などで最低価格、標準価格、最高価格を調べ、試算の資料としました。

 そこで、最低限必要な財やサービスを積算すると、25歳の単身者が名古屋市で生活するには月額で22万3230円の生活費が必要との結果がでました。同じく40代の夫婦と子ども2人の世帯では52万4837円でした。

 愛労連はこの結果を生かし、年代別の「まともな暮らしをするために必要な生計費」を目安に、2012年春闘の賃上げ要求の討議をすすめています。







最低生計費 総括表 1カ月   単位:円
  25歳単身 30代夫婦のみ 30代夫婦子ども1人 40代夫婦子ども2人
A(消費支出) 167,184 247,858 312,458 399,076
  1 食費 40,995 68,425 92,397 124,512
  2 住居費 47,000 52,000 63,000 65,000
  3 光熱・水道 7,837 12,573 17,147 20,183
  4 家具・家事用品 3,849 8,802 9,770 10,927
  5 被服・履物費 4,763 11,002 12,726 13,883
  6 保健医療 2,466 7,682 9,779 11,235
  7 交通・通信費 18,635 27,386 27,036 31,630
  8 教育費     14,167 42,667
  9 教養娯楽費 17,262 23,194 26,694 33,694
  10 その他 24,378 36,797 39,747 45,350
B(非消費支出) 39,046 53,088 68,115 85,761
  所得税 4,025 4,376 5,221 7,467
  住民税 8,185 9,869 11,942 12,741
  社会保険料 26,836 38,843 50,952 65,553
C(貯蓄・予備費) 17,000 25,000 31,000 40,000
合   計 223,230 325,946 411,573 524,837
 年額換算 2,678,760 3,911,352 4,938,876 6,298,044
 時間額換算 1,285 1,870 2,368 3,020
※時間額は税込月額を月労働時間173.8時間で割り出した。



愛知県労働組合総連合 吉良多喜夫事務局長の話

 
 調査結果を時間額に換算すると25歳単身者で1285円。どの都道府県の調査でも、1時間当たり1300円前後の生計費が必要との結果がでました。

 今の愛知県の最低賃金は時給750円。最高の東京と最低の沖縄では180円も差があり、今回の調査で全国一律最低賃金制確立の必要性が浮き彫りになりました。

 自動車を持たない前提で今回調査しましたが、25歳単身者が車を持つためには年間300万円ほどの生計費が必要です。それに見合った賃金の要求は当たり前という討論をすすめ、世論にも訴えていきたい。

 今年の春闘ではまず時給1000円以上の最低賃金と、誰でも1万円の賃上げをめざし、賃金底上げの第一歩にしていきたい。