愛知民報

【11.07.24】名古屋市民 要求アンケート 暮らし向き「苦しくなった」過半数

高齢者施設 要望最多 河村減税「実感ない」63%

 
 国民の貧困と格差が広がるなか、激烈な公務員攻撃で住民の関心を集め、これをテコに自治体職員の定数削減と福祉切り捨て・民間まかせを強行する動きにたいし、自治体職員の労働組合と市民団体の協働で、住民要求のアンケート調査をおこない、住民要求に根ざした自治体の再生をはかる運動がはじまっています。

 名古屋市職員労働組合と市民団体でつくっている「暮らし・福祉・安心 もっと住みよいなごやにしよまい 生活アンケート」実行委員会は昨年秋に名古屋市民要求アンケート調査をおこないました。その結果(回答数8984人)がこのほど発表されました。

 暮らし向きについて「やや苦しくなった」「かなり苦しくなった」が合わせて54・5%にのぼりました。

 その理由は「給料が減らされた」が38・6%で最多。「健康保険料や介護保険料が増えた」「医療費や介護サービス料が増えた」「子どもの教育費が増えた」が合計30・7%。賃金削減と社会保険・教育の負担増が家計悪化の主な要因になっています。

 河村名古屋市政が2010年度に実施した市民税10%減税について、63・4%が「実感しなかった」と答えました。減税実施のために「福祉や暮らしの予算を削るのは困る」との回答は70・3%にのぼっています。

 「減税」をテコにした福祉の公的責任放棄・民間まかせの「構造改革」路線は、市民の思いから離れています。

 名古屋市に求める施策の第1位は「介護など高齢者施策の充実」で55・5%。第2位は「子育て支援の充実」47・1%、第3位は「国保料の引き下げ」33・3%でした。
 河村市政・大村県政が連携して推進する「大企業誘致の促進」は1・5%、「大型公共事業の推進」は1・4%にすぎませんでした。

 アンケートの取り組みと調査結果について、名古屋市職労の塚本紀子副委員長は「東日本大震災を教訓に、あらためて自治体が果たす役割が問われています。地域に入る中で“買い物難民”といったまちづくりの問題も浮き彫りになっています。今後、アンケートで出された、市民負担軽減の要求実現に全力をあげます」と話しています。