愛知民報

【10.10.10】航空自衛隊小牧基地 空中給油機、アメリカ・アラスカ州で米軍と合同訓練 海外派兵へ基地機能強化

小牧平和県民集会 憲法9条生かし 平和な県営名古屋空港に

 
 航空自衛隊小牧基地に配備されているKC767空中給油機が米国アラスカ州で米空軍と合同訓練をおこないました。

 空中給油機2機は同基地のC130輸送機3機とともに6月2日出発。6月11日から26日までアラスカ州アイルソン空軍基地で日米合同訓練を実施。訓練には百里基地(茨城県)のF15戦闘機6機、浜松基地(静岡県)のAWACS(早期警戒管制機)も参加しました。

 百里基地から出発したF15戦闘機は太平洋上空で米空軍の空中給油機から給油を受けました。

 民主党政権のもとで「自衛隊のあり方」が重大な転機を迎えています。8月30日、菅直人首相の私的諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」が首相に提出した報告書は日米軍事同盟とアメリカの核抑止力へのいっそうの依存を強調しています。
 法整備では、集団的自衛権行使のため、憲法解釈・「PKO参加5原則」・武器3原則の見直しや海外派兵恒久法制定など、自衛隊が米軍と共同し海外での戦争に公然と参加できる枠組みをつくろうとしています。

 菅首相は、報告書を「しっかり検討していく」と言明。民主党政権が初めて発表した2010年版「防衛白書」は、報告書を「参考」に「防衛計画の大綱」の策定作業をすめると述べています。

 今回の空中給油の訓練目的は「基地の防空訓練等」としていますが、民主党政権の防衛政策を先取りし、海外派兵を想定したものです。

 3日、小牧基地に隣接する春日井市内の公園で第14回小牧平和県民集会が開かれ350人以上が参加。基地機能強化反対、海外派兵反対の声をあげました。

 主催者を代表して尾張中部地区労連の藤山譲司議長は、小牧基地の空中給油機配備、飛行群部隊新設など基地の実情を報告。「小牧基地の機能強化を許さず、平和な県営名古屋空港にしよう」と呼びかけました。

 日本共産党の井上さとし参院議員が連帯のあいさつをおこない、菅内閣は自民党政権も打ち出しえなかったような軍事政策を検討し、日米軍事同盟を強化しようとしていると批判。「小牧が海外派兵の発進基地となることは許されない」と訴えました。

アラスカ上空で空中給油機から給油を受けるF15戦闘機=航空自衛隊・航空総隊司令部のホームページより