愛知民報

【09.03.01】「モノじゃない!」“派遣切り”に抗議 生きている人間だ

 派遣切りに抗議してデモ更新する人たち
 「愛知派遣切り抗議大集会」が2月22日、名古屋市内で開かれ、約500人が参加しました。主催は反貧困ネットワーク、東海労働弁護団、生活保護問題全国対策会議などでつくる同集会実行委員会。

 実行委員長の宇都宮健児弁護士(反貧困ネットワーク代表)は「派遣切りは重大な人権侵害。労働者派遣法で、企業が労働者をモノのように切り捨てる事態になった」と指摘しました。

 東京・日比谷公園の「年越し派遣村」村長の湯浅誠さんは「今の日本は失業から直ちにホームレスに滑り落ちる社会。生活保護などセーフティネットを実効あるものにすべき」と強調しました。

 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員が国会から激励に駆けつけました。

 派遣切り経験者が訴えました。

 「子どもが生まれて5カ月で首になり、寮を出て行けと言われた。今は生活保護を受け仕事を探している。会社は派遣労働者を材料ではなく財産として扱ってほしい」

 「10代から全国各地10カ所を住み込みの派遣で回った。一昨年から愛知に来てトヨタ関連企業で働いていた。秋から仕事のない日が多く部屋にいることが多かった。12月に契約打ち切りを通告された」

 「解雇された時、契約切れだから仕方がないと思った。不当とは考えもしなかった。その後、愛労連に相談し労働組合をつくり会社と交渉した。権利を知り、仲間と行動すれば前進も早い」

 発言を熱心にメモしていた男性(32)は「電気関係の会社に派遣されている。契約は6月までだが、派遣切りの話を聞いていると明日は我が身と思う。万一のため生活保護の手続きの仕方をメモしている」と心配そうに話していました。

直接雇用へ現行法活用も 佐々木憲昭衆議院議員

 私は愛知県内の「派遣切り」の状況や中村区役所の実態などを調べ、国会で仕事、住まい、生活保護など総合的な相談窓口の設置を提案しました。必要な資金と人は派遣切りをした大企業と国、自治体が責任をもつべきだと強調しました。麻生首相は「地方自治体と連絡をとり、きちんとやっていかねばならない」と答えました。

 今の法律の枠内でも派遣切りをやめさせることはできます。同じ職場で3年以上派遣で働いているのに、派遣先企業が直接雇用の申し込み義務を果たしていないケースが多いのです。労働局に直接雇用を申告しましょう。

 これ以上、路頭に迷う人を出さないために、職業・住居・生活を保障する緊急特別立法を行うことです。各党とも協力してやっていきます。

 根本的には他人の労働をピンハネする派遣法を抜本的に改める必要があります。