愛知民報

【09.03.01】急増する生活保護 予算増で対応するが… 雇用破壊を止めてこそ

 昨年秋から今年にかけて生活保護を受ける人が急増しています。大企業の「派遣切り」の影響です。

 名古屋市の生保護受給数は昨年5月時点で2万8413人でしたが、12月に1244人増え、2万9657人に。今年1月には新たに1013人が受給し、3万人を超えました。

 名古屋市は2009年度予算案に生活保護予算の増額を計上しました。市は新年度の受給数を今年度より1300人増えると見込んで25億円増やし、2万9800人分574億円としました。しかし新年度を待たずに受給者は見込みを上回っています。

 市の担当者は「今年1月の新規受給者は中村区役所扱いが多い。大半が単身者。昨秋以降に名古屋市に転入してきた人も結構いる。中村区役所に他区から職員を派遣して対応しているが十分でなく迷惑をかけている」と話しています。

 1月から生活保護を受給している男性(29)は経過を語ります。

 「トヨタ関連会社で働いていたが寮費などを引かれ、手取りは10万円前後。貯金は出来ない。昨年10月に派遣契約を打ち切られた。昼は地下街か図書館、夜はネットカフェで過ごした。金も尽きて野宿しているときにホームレス支援の人と出会い、生活保護を申請した」

 トヨタ自動車関連企業の多い西三河地方も生活保護受給者が急増しています。

 岡崎市の今年1月の受給世帯数は1155世帯。昨年12月は1086世帯でしたたから、1カ月で69世帯増えました。昨年12月から今年1月まで豊田市で38世帯、刈谷市で13世帯増えています。

中島牧子知立市議に聞く 苦難解決に取り組む

 日本共産党知立市議団は12月議会で、市に緊急対策本部の設置と雇用確保・生活支援対策を要求しました。

 市は12月26日に本部を設置。?年末年始の市内巡回?市の職員静養室の提供?防災用保存食の提供?雇用相談の開始を発表しました。

 日本共産党は独自の市内巡回や相談活動をおこないながら、市の巡回にも同行しました。野宿者に「身体は大丈夫ですか」と声をかけ、カップラーメンを配って回りました。野宿の人たちは年末・年始、職員静養室などに宿泊しました。

 党とボランティアの巡回・相談活動で、公園で野宿していた元派遣の青年と出会い「10月に寮から追い出され、自殺を図ったが死ねなかった」と訴えられました。早速、生活保護を申請。公園を住所として生活保護が受理され、保護費が支給されました。アパートの入居保証は保証協会を利用。生活保護費で敷金・礼金が確保できました。

 知立市は昨年10月から生活保護の住居費限度額を4万8100円に引き上げ、入居費用はその4か月分まで保障するとしています。

 緊急雇用として市は失業者を対象に10人の臨時職員を募集。20人の応募があり、7人採用されました。外国人の相談に応じるため、失業した2人の外国人を通訳に雇いました。しかし、とても生活できる給料ではありません。改善が必要です。

 日本共産党市議団は、国民の苦難を解決するため、衆議院選挙で日本共産党を伸ばしたいと、がんばっています。