愛知民報

【09.02.08】行き場失う外国人労働者 使い捨ては「ノー」 

「ロウドウクミアイ」つくった

 企業の生産縮小、人員削減の波が外国人労働者を直撃しています。

 一宮市内で外国人ホームレスの宿泊施設を運営するNPO法人「のわみ相談所」に、愛知県内の外国人が駆け込んでいます。

 先月から同施設で生活している日系ブラジル人男性(32)。

 「会社がダメになった。お金がなく、3日間何も食べていなかった。友だちから聞いて、ここに来た」。彼は5年前に来日。小牧市内の機械部品工場で働いていました。昨年末に同僚の外国人5人とともに解雇されました。

 名古屋市内の飲食店で働いていたフィリピン人男性(28)は閉店で職を失い、来日時の借金をかかえ、この宿泊施設で暮らしながら職を探しています。

 同施設事務局の三輪憲効さん(63)は「外国人は景気が悪くなると真っ先に首を切られる。会社は雇用保険を掛けず、母国に送金するため預金のない人が多い。職を失うと直ちにホームレス状態になる」といいます。

 厚生労働省の名古屋外国人雇用サービスセンターの就職相談件数は、昨年10月までは1日平均20件前後だったのが、11月以降は倍増。しかし求人は激減し再就職の困難が増しています。

 同センターで求職票を見ていた中国人留学生(23)は「円高で親からの送金の価値が目減りして生活が大変。いいアルバイトがないかと探しているがない」と話しています。
 外国人を含め非正規労働者の雇用を守る運動が広がっています。

 県内各地の団体や日本共産党が雇用確保、生活支援を自治体に求めています。

 小牧市では1月7日から外国人の雇用相談をポルトガル語の通訳付きで開設しました。

 多数の日系ブラジル人派遣労働者を使っている塗料メーカーが生産を縮小し、今年3月までに派遣労働者をゼロにする計画を打ち出しました。労働者はJMIU(全日本金属情報機器労働組合)に相談。組合を結成し「これ以上のハケンギリをやめよ」と派遣会社や派遣先企業との交渉をすすめています。