愛知民報

【08.11.02】名古屋市介護保険 黒字65億円 保険料値下げを 日本共産党市議団主張

名古屋市介護保険の決算(億円)

   予算  決算  黒字額
 06年度  1,084  1,018  66
 07年度  1,144  1,079  65

 名古屋市が運営する介護保険事業が2年連続黒字を出しています。2000年にスタートした介護保険制度は3年間を1期として、会計状況に応じて介護報酬や保険料を見直します。

 名古屋市は3期目の06年4月から、介護保険料を平均1245円(前期比39・5%増)引き上げました。愛知県平均の897円(31・9%)に比べ大幅な引き上げでした。

 3期目の保険料改定にあたり、豊橋市など35自治体は低所得者への減免制度を実施しました。しかし名古屋市は「国からペナルティーがかけられる」として市民の減免要望を拒否しました。

 保険料引き上げの一方、3期目から始まった地域密着型サービスの利用は計画通り使われず、結局、06年度66億円、07年度65億円の黒字が出ました。政府の負担増、給付抑制路線が現れた形です。

 名古屋市議会の07年度決算審査で、日本共産党のくれまつ順子議員がこの問題を取り上げ、「07年の65億円の黒字の具体的な中身は何か」と質問し、「第4期の介護保険料を引き下げよ」と求めました。

 健康福祉局は「地域密着型サービスの利用が計画を下回ったことで約40億円、保険料で22億円」が浮いたことを明らかにしました。黒字分の活用については「介護報酬引き上げ等による保険料上昇の抑制に使う。即、現行の保険料より引き下がるということではない」という態度です。

 政府は第4期の事業計画で、介護報酬を引き上げることで、介護職員の賃金改善を検討しています。

 介護の充実を求める愛知の会の尾関むつ子さんは「賃金引き上げは当然ですが、被保険者負担ではなく国の負担でやるべきです。取りすぎた保険料は保険料引き下げに回すべきです」と話しています。