愛知民報

【08.09.07】トヨタテストコース 改変面積縮小いうが サシバ、オオタカ守れるか

 「豊田・岡崎地区研究開発施設用地造成事業」。愛知県企業庁がトヨタ自動車の大規模な研究開発施設とテストコースの建設用地を造成する事業です。

 場所は、豊田市と岡崎市にまたがる里山。造成面積は660ヘクタール。ナゴヤドームグランドが492個も入る広大な面積です。

 企業庁が造成した用地をトヨタが買い取り、東部分に開発車の走行性能をテストするコース、東側に研究開発棟を建てます。5千人規模の従業者数を見込んでいます。

 絶滅が危惧されるサシバなどワシ・タカ類が造成予定地内で営巣し、周辺にはオオタカの営巣も確認されています。今年1月、愛知県野鳥保護連絡協議会は撤回を含めた計画の再検討を求めました。

 この動きを受け、トヨタと県は9月1日、造成地域内の改変面積を減らし、サシバが営巣する森林や餌場の水田機能を保全するとの変更計画を発表しました。

 しかし、長期の造成・建設工事、完成後の人と自動車交通量の増加など環境の激変が予想されます。希少種の生息環境が守れるか疑問が出ています。