愛知民報

【08.08.03】設楽ダム 問題噴出 佐々木憲昭衆院議員「調査の全体像公表を」 

 豊川上流の多目的大型ダム・設楽ダム建設について、国土交通省は実施の前提となる基本計画の策定作業をすすめていますが、同ダムの安全性、希少生物保護など重大な問題点が浮かび上がっています。7月23、24日には、日本共産党の佐々木憲昭衆議院議員らが建設予定地を調査しました。
 

もろい地盤

 設楽ダム建設計画は豊川上流部の狭いV字谷に高さ約129メートルのコンクリート製ダム(堤)をつくり、最高時9800万トンの水を貯めるものです。

 住民が心配するひとつはダム建設予定地点の地盤の弱さ。昨年、国交省がおこなった右岸の土質ボーリング調査結果は「あまり良好でない」。調査関係者によると「安定した岩盤にたどりつかない」といいます。同省はいまだに正確なダム位置を決めることができず、検討中です。

消えたネコギギ

 建設予定地の渓流には、伊勢湾周辺の限られた河川上流部にしか生息していないネコギギがいます。ナマズの一種で、環境変化に弱く、国から天然記念物に指定されています。

 国交省はダム建設がネコギギの生息地を破壊することを認め、ダム建設予定地の下流部で移植実験をおこなっています。昨年10月に100尾を放流。5日後に10尾が確認されたものの、その後の調査では確認ゼロといわれています。

 「環境にやさしいダム」のシンボルであるネコギギの移植事業の効果が疑われています。

 佐々木衆院議員は「国交省は希少生物への影響や地盤調査の全体像を隠している疑いがある」と指摘しています。

地元「ショック」

 建設予定地の設楽町は、ダム建設で百数十戸の移転、広範囲の水没などで、現在でも過疎化に悩む同町の人口減少に拍車がかかるのは必至です。
 同町がダム建設の同意条件として、県と下流市町に拠出を求めているのが地元振興の原資になる「設楽ダム対策基金」。このほどその規模が30億円程度であることが分かりました。後藤米治前町長が主張した「100億円」の3分の1。地方紙は「設楽町はショックに見舞われた」(東日新聞7月5日)と書いています。
 日本共産党の田中邦利町議は町民の声を次のように語っています。
 「30億円の基金では、年額1500万円~6000万円程度の利子収入にしかなりません。ダムのカネでつくった町施設の維持管理費が賄えるか疑問です。過疎化や経済的衰退を克服する振興事業は望むべくもありません。ダムで栄えた試しはないということか」
 設楽町では建設の是非を問う住民投票の実施を求める運動がすすんでいます。水余りのもとで、自然破壊の無用ダムといわれる設楽ダム。建設予定地への犠牲と下流住民に費用負担を押し付ける点でも中止すべきです。

日本共産党の田中邦利町議の話

 
 「30億円の基金では、年額1500万円~6000万円程度の利子収入にしかなりません。ダムのカネでつくった町施設の維持管理費が賄えるか疑問です。過疎化や経済的衰退を克服する振興事業は望むべくもありません。ダムで栄えた試しはないということか」

 設楽町では建設の是非を問う住民投票の実施を求める運動がすすんでいます。水余りのもとで、自然破壊の無用ダムといわれる設楽ダム。建設予定地への犠牲と下流住民に費用負担を押し付ける点でも中止すべきです。