愛知民報

【08.03.09】名古屋瀬戸道路 2.3キロに647億円 万博アクセス ガラガラ 

走行時間はほんの数分
 ガソリン税、自動車重量税など道路特定財源をつかった地域高規格道路の整備が国、愛知県を挙げて進められています。地域高規格道路とは、4車線以上で、自動車専用道路あるいは同等の規格で時速60~80キロで走れる道路です。

 道路特定財源からの資金を含め、総事業費647億円を投じてつくった万博アクセス道路・名古屋瀬戸道路は、今、どうなっているのでしょうか。この道路は、東名高速道路日進ジャンクションから分岐し、長久手インターまでの2・3キロを結ぶ有料自動車専用道路。通行料は片道100円。愛知県道路公社が管理しています。

 総事業費647億円は百メートル当たり約28億円。恐ろしく高価な道路です。記者は1日、長久手インターから名古屋瀬戸道路に入り、東名高速道路に向けて走ってみました。

 同インターから乗り入れたら途中に出口はなく、自動的に東名高速道路に入るしかありません。所要はわずか2分。前を走る車はわずか1~2台でした。

 計画交通量は1日平均26900台。需要は低迷しています。万博開催期間を含む2005年度でも1日平均7884台の利用にとどまりました。06年度は同じく6292台。当初計画の2割強です。まさしく「万博のために作られた道路」です。本紙の取材に県道路公社は「見込み収入を下回っています」と答えています。

通行量 予測の2割

 同道路の計画時に「ムダな道路」と反対した林信敏元県議は言います。「万博期間中でもガラガラでした。県は万博に自家用車で来ないように宣伝していたのですから。長久手側に東名高速の有料導入路を1本新設したにすぎません」。

 過大な需要見通しを立て、ばく大な税金を投入する地域高規格幹線道路の建設に固執する国や県。これを要求する財界。「建設先にありき」で、完成したら赤字を垂れ流すのではなく、生活道路の整備、補修など生活密着型の道路政策に転換すべきです。