愛知民報

【08.01.13】2008年度愛知県関連政府予算案 やっぱり浪費と財界奉仕

消費税で国民にツケ回し

 昨年12月24日に閣議決定された2008年度政府予算案は、社会保障費の伸びを圧縮する一方で、大型公共事業費や軍事費は前年度の予算規模を維持しています。予算案に盛り込まれた愛知県関連事業は県民から批判がでている浪費型の大型開発が目白押しです。

導水路15億円

 徳山ダム(08年度運用開始予定)の水を愛知県に引く導水路(総事業費890億円)の調査費、用地補償費などに15億円が計上されました。

 日本最大の多目的ダムの徳山ダム(総工費3500億円)は高度経済成長時代に計画され、今年完成しますが水需要が減り、「無用の長物」「壮大なムダ遣い」との批判がおきています。水余りの木曽川に水を注ぐ導水路はムダを重ねるだけです。

設楽ダム19億円

 設楽ダム(総事業費2070億円)の工事費として19億9千万円が盛り込まれました。同ダムは天然記念物のネコギギが生息する設楽町内の豊川上流に国土交通省が建設を計画。2020年度完成をめざしています。

 同省は06年、将来の水需要予測を下方修正しましたが、「流水の正常な機能維持」などの理由をつけてダム計画を維持しようとしています。

 設楽ダムの必要性が疑問視されます。

トヨタ港づくり

 全国の港湾整備費2341億円に、名古屋港のスーパー中枢港湾のモデル事業として名古屋港飛島ふ頭(飛島村)第2大水深バース(岸壁)の建設が含まれています。

 水深16メートルの第2大水深バースはトヨタ飛島センターの前に建設され世界最大級の6万トン級のコンテナ船が接岸できます。事業費は350億円の予定。輸出コンテナ貨物の4割は自動車部品。まさにトヨタのためのバース建設といえます。

大型開発推進 2大政党

 愛知の自民党は、第2東名・名神高速道路の早期整備、設楽ダムの早期着工、自動車輸出に対応する多目的岩壁の整備促進など財界・大企業が要求する事業への予算を政府に求めています。

 民主党も県議会や名古屋市議会で、大型開発推進の自民党と同一歩調をとっています。