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公立保育園なくさないで 民間移管考える 保育士・父母らシンポ

公立保育園の民間移管について活発に議論したシンポジウム=23日、名古屋市熱田区

 公立保育園の民間移管を考えるシンポジウムが23日に名古屋市内で開かれ、会場いっぱいの130人が参加しました。保育士や父母らでつくる実行委員会の主催。

 名古屋市は2007年度から市立保育園の廃園・民間移管を始め、当時124カ園あった保育園は今年度101カ園に減りました。今後、78カ園にまで減らす計画です。来年度から2025年度までに廃園・統合予定の18園を公表しています。

 大阪保育運動連絡会の岩狹匡志副会長、京都市聚楽保育所保護者会の本郷浩二さんが報告。本郷さんは民間移管対象になった聚楽保育所の反対運動について述べ、「保育園が無くなる子どもの悲しさ辛さを、子どもに代わり声をあげることが大切」と語りました。

 リレートークで4年後に民間移管が計画されている芝保育園(南区)の保護者は「公立保育園の良さ、園児や保護者の声を伝えるニュース『WeLove芝』を発行。他の移管対象園からも大きな反響がある」と話しました。

 二ツ橋保育園(中村区)を引き継いだ社会福祉法人の保育士は「公立と民間では保育習慣や対応に大きな差があり、園児は戸惑った。保育士と保護者との連絡、交流も異なり混乱した」と述べました。

 民間移管した市立保育園でパートとして働いていた女性は「民間移管になっても正規の保育士は市職員なので他園に転勤できるが、パート・非正規の保育士は失業する。募集があっても、移転改築による民間移管だと自宅から遠くなり応募を断念する人もいる」と語りました。

(11月27日 しんぶん赤旗)