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介助犬のこと知って 長久手でフェスタに本村氏が参加

介助犬とともにあいさつする江口さん(左)と松山さん(右)=18日、愛知県長久手市

 介助犬を「見る、知る、そして楽しむ」―。愛知県長久手市で18日、第9回介助犬フェスタが行われ、家族連れなど7700人が会場を訪れました。日本介助犬協会が主催。

 介助犬とは、手や足に障害がある人の手助けをするために特別な訓練を積んだ犬のことです。肢体不自由者の手足となり、日常生活の補助をするとともに、使用者の精神的な支えにもなります。

 ステージで介助犬のデモンストレーションが行われ、車いすユーザーの靴を脱がせたり、テレビのリモコンを持ってきたりして、集まった人たちから大きな拍手をうけました。

 会場のアナウンスで、介助犬を見かけたときには「さわらずに、温かい無視をお願いします」と呼びかけられました。

 「感謝の集い2019~認定報告会~」が行われ、橋本久美子会長は「障害のある方が暮らしやすい社会は、誰もが暮らしやすい社会であると信じ、一人でも多くの介助犬ユーザーが増えることをめざし励んでいます。みなさんの変わらぬご支援を」と語りました。

 昨年度新たに認定された、岡山県の江口雄司さんとアイス、岐阜県の松山ゆかりさんとサスケの2組のペアが紹介されました。

 江口さんは、介助犬アイスと暮らすようになって外出の機会が増えたと言います。以前は目標や目的がなければ動けなかったのが、今はアイスとの散歩が楽しみになり、身体のためにもなっていることを実感。地域の人たちとのコミュニケーションも増えました。

 松山さんにとって、介助犬は2頭目。先代のジョイの存在が大きく、サスケと訓練を始めた当初は性格の違いなどに戸惑うこともありましたが、それを乗り越え、サスケと笑いながら歩けるようになったと言います。

 集い参加者らは、日本で唯一の介助犬訓練施設で、今年開設10周年を迎えた「シンシアの丘」の見学も行いました。

 介助犬の輪は少しずつ広がっていますが、全国で活動する介助犬使用者と介助犬のペアは65組にとどまります。介助犬を必要とする人は1万5千人程度とされています。

 介助犬の育成には1頭あたり300万~500万円かかり、多くが寄付でまかなわれています。育成を行っていく人材も十分とはいえません。

 同協会の森田英守常務理事は、来賓参加した日本共産党の本村伸子衆院議員の質問に、「介助犬のことを知ってもらう取り組みとともに、介助犬のレベルをあげるようにしたい」と話しました。本村氏は「国の助成など公的支援を増やすことも重要ですね」と話しました。

(5月25日 しんぶん赤旗)