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ユニチカに賠償請求を 豊橋住民の訴え認める判決

 愛知県豊橋市のユニチカ工場跡地の問題で、住民130人が佐原光一市長に対し、ユニチカに63億円の損害賠償を請求するよう訴えた訴訟の判決が8日、名古屋地裁でありました。市原義孝裁判長は、住民側の請求を認め、市長に対してユニチカに全額を請求するよう命じました。

 ユニチカは、前身の大日本紡績時代、1951年に市から約27万平方㍍の土地を工場用地として無償提供されました。その際、「敷地の内で使用する計画を放棄した部分は市に返還する」という契約を交わしました。ところがユニチカは工場閉鎖に伴い、2015年に土地を積水ハウスに63億円で売却しました。住民側は、売却を許した市長の責任を問い、16年8月に提訴していました。

 判決後、原告団長の宮入興一さんは「今日の判決は市民の勝利だと確信する。行政に勝手なまねをさせない。主人公はあくまで市民。不都合があれば私たちが正す、正義のたたかいだと主張してきた。その意図が裁判長に伝わったと考えている。この成果を広く市民に伝えていきたい」と述べました。

 弁護団事務局長の福岡孝住弁護士は「豊橋市は、この判決を重く受け止めてもらいたい。情報公開は今からでも遅くない」。齋藤尚弁護士は「市が控訴するならば、ユニチカが撤退する際、市とどのような交渉があったのか明らかにさせたい」と話しました。

(2月9日 しんぶん赤旗)