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原水爆禁止世界大会海外代表と高校生交流

 

愛知県豊橋市の学校法人桜丘学園で12日、今年の原水爆禁止世界大会に参加したアメリカのピースアクション組織責任者のジュディス・ルブランさんは原水爆禁止豊橋地域協議会(豊橋原水協)の人たちと交流しました。

 同学園は1989年に市民との共同で、広島原爆の残り火(原爆の火)を保存する「平和の塔」を設置。翌年から毎年、国民平和行進(東京~広島コース)を迎え歓迎集会を開いています。高校生が広島、長崎や沖縄を訪れる「平和の旅」など平和教育に熱心に取り組んでいます。

 高校生たちはルブランさんら一行を力強い和太鼓の演奏で迎えました。和太鼓部の団員が「遠くから来ていただきありがとうございます。平和の願いを込めて演奏しました」とあいさつ。ルブランさんは「私はアメリカインディアン出身。力強い演奏に感激しました。インディアンも強い願いを込めて太鼓を打ちます。世界の平和を願って打ちましょう」と話し、生徒から撥(ばち)を借りて「ドン、ドン」と太鼓を打ちならします。生徒から大きな拍手が沸き起こりました。

 今夏の「平和の旅」に参加した生徒と懇談しました。今年は長崎市で原爆資料館、南九州市では旧日本陸軍の知覧基地跡に建設された知覧特攻平和会館を訪ねました。

 男子高校生(17)から「知覧特攻平和会館に展示してある遺影や遺書を見てショックを受けました。僕たちにと同じ年代の多くの人たちが戦争の犠牲になりました。戦争の真実を同級生はもちろん、後輩に伝えていきます」。女子高校生(17)からは「原爆の悲惨さや核兵器廃絶の大切さはマンガ『はだしのゲン』などを通じて知っていました。特攻隊の事は知覧を訪れて初めて知りました。爆弾を積んだ飛行機で体当たりするなんて考えただけで恐ろしいです。戦争は絶対だめの声をあげていきます」と旅の感想を述べました。

 生徒から、世界大会の感想などをか聞かれたルブランさんは「世界大会でも多くの若い人たちと交流しました。若い人たちが様々な形で『核兵器廃絶、平和』の問題で学び運動していることに勇気づけられました。アメリカの青年に私が聞いた『被爆者の体験談』を伝え、草の根の運動で『アメリカは核兵器廃絶の話し合いのテーブにつけ』の声を広げます」と答えました。

 設置された「原爆の塔」前で豊橋原水協役員から「全世界で核兵器がなくなれば『原爆の火』を消します」と説明を受けると、ルブランさんは「早く実現するようアメリカでの日本でも運動を進めましょう」と話しました。(8月14日)