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平和のための戦争展 過ちは繰り返さない

 

「第22回あいち・平和のための戦争展」が名古屋市昭和区の市公会堂4階ホールで11日から開かれています(14日午後3時まで)。同展は、戦争の実態を記録・調査し次世代に語り継いでいる40の市民団体が実行委員会(代表=倉橋正直・愛知県立大学名誉教授)をつくり1992年から毎年開いています。

 会場は、▽憲法第9条は戦争体験から▽空襲と原爆投下▽日本の侵略・植民地・軍「慰安婦」▽沖縄・日本と世界の危険な現状▽平和憲法を変えてもいいですか―のテーマごとに仕切られ、解説パネルや戦争遺品などを多数展示されています。

 実行委員会の倉橋代表は開会あいさつで「日本は過ちを繰り返さないと誓って歩んできましたが、最近は誓いを破る動きが強まっています。一人の力は弱いですが『平和のために何かしたい』のきっかけにしてほしい」と訴えました。

 オープニング企画は「空襲ピアノ」による平和コンサートです。1945年の名古屋空襲により損傷したピアノを修理・調律し、金城学園高校・中学校生徒有志が、同ピアノの伴奏で戦後の平和の象徴として歌い継がれている「花の街」(団伊久磨作曲・江間晶子作詞)などを合唱しました。合唱した女子生徒は「空襲の傷痕が残るピアノ演奏なので、平和の大切さを訴えたいと思って一生懸命に歌いました」と話しました。

 夏休みの自由研究のため祖母と訪れた小学5年生の男子児童は原爆パネル展の前で長らく立ち止まり「おばちゃん。原爆や戦争は絶対だめだよね」と少し涙声で話し、祖母は「本当だね。いっしょに何かしようかね」と二人で原爆パネル前に置かれた「核兵器廃絶を求める」署名にサインをしました。(8月13日)