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歴史認識を問う映画と講演のつどい

南京大虐殺なぜ否定ー河村市長発言に抗議

 

 名古屋市の河村たかし市長が、旧日本軍が1937年に引き起こした南京大虐殺を否定する発言をした問題で、憲法と平和を守る愛知の会は2月21日、歴史認識を問う映画と講演のつどいを名古屋市で開きました。
 河村市長は昨年9月15日、議会で南京大虐殺について「30万人は事実と違う」と述べ、日中両軍の銃撃戦に多数の市民がまきこまれて犠牲になったことが「誤解されて伝えられたのではないか」と否定する発言を行い、日本共産党市議団が抗議と発言撤回を申し入れていました。
 集会では、元日本兵が中国人の大量殺害や放火などを告白し、被害者が証言したドキュメンタリー映画「南京・引き裂かれた記憶」を視聴。日中友好協会県連合会の石川賢作会長、名古屋大学教育学部の石井卓児助教が講演しました。
 石川氏は、「南京大虐殺は、南京城区だけでなく周辺6県の近郊区を含む範囲で起こされた捕虜虐殺、強姦、掠奪(りゃくだつ)の総称で、事件当時から世界に知れ渡っていた事実だ。河村氏は、彼の父親が中国人から優しくしてもらったことを理由に大虐殺を否定するが、それは大虐殺を否定する根拠にはならない。市長は国際法と人道に反した大きな事実にこそ目を向けるべきであり、発言は無責任だ」などと主張しました。
 石井氏は、教科書の検定や採択制度の問題点を報告し、「憲法を守り、憲法で教科書を守ることが私たちの課題だ」と訴えました。(2010年2月24日)