愛知民報

【17.09.10】名古屋市 区の図書館再編 集約・民営化でサービス格差 

 名古屋市教育委員会は6月、市内に21館ある市立図書館を再編する「なごやアクティブ・ライブラリー構想案」を発表しました。7―8月におこなったパブリックコメント(意見聴取)を受け、10月にも同構想を策定するとしています。1区1館方式(支所管内はさらに1館)を改変する構想で蔵書やサービスの格差を懸念する声が上がっています。

第1ブロック(千種、東、守山、名東)で先行

5ブロック

 構想案は、社会的ニーズの変化や財政難に対応するために図書館サービス網の再構築を図るというもの。鶴舞中央図書館を中心に、市内を5ブロックに分け、各ブロック内の1館を専門的サービスを担うAタイプとし、他の館は蔵書の数を減らしたB、Cタイプにします。B、Cタイプは蔵書数を減らしたうえ、民間委託が検討されます。古い施設の多い千種、東、守山、名東各区の第1ブロックから実施する構想。千種区星ヶ丘駅周辺にAタイプの館を置き、東、守山、志段味、名東の各館はB・Cタイプにされます。

蔵書・行事削減

 現在、区の図書館に平均9万冊ある蔵書は5つのAタイプ館に集中。B・Cタイプ館の蔵書は大幅に減らされます。
 催し物も削減の対象。『広報なごや』9月号の東区のページによれば、東図書館では今月、幼児・小学生を対象にしたお話会が6回、映画会やわらべ歌の会もあります。守山、名東、志段味の各図書館でも同様の催しがおこなわれています。Cタイプとされれば各種行事は実施しない計画です。

市民不在

 市教委は6月の市議会教育子ども委員会で構想案を公表しましたが、市民向けの説明会はパブコメ締め切り直前の8月19日、それも鶴舞中央図書館で1回きりでした。東区の読み聞かせボランティアの女性(65)は「週1回は図書館に行きます。市民不在で進められたら困ります」と怒っています。
 日本共産党市議団は7月11日、「サービスや蔵書数において格差を生じさせる」と批判し、全館で説明会をおこなうよう杉﨑正美教育長に申し入れました。

東図書館が入る建物