愛知民報

【17.06.04】南スーダンPKOから自衛隊撤収 県民運動と国会論戦が政府追い込む

南スーダンPKOからの自衛隊撤退を要求する本村伸子議員=2月23日、衆院予算委員会第1分科会

 

 南スーダンPKO(国連平和維持活動)に派遣されていた自衛隊部隊が5月27日撤収しました。安倍政権がすすめる憲法違反の海外派兵路線の破たんです。南スーダンPKOへの自衛隊派遣部隊の基地のある愛知での派遣反対の県民運動や議会での日本共産党議員の追及の反映です。
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 名古屋市守山区に司令部を置く陸上自衛隊第10師団は2015年11月から16年4月までの第9次隊に参加していました。南スーダンへの派遣目的は、建前は道路整備など民生支援。しかし同基地の所属部隊は海外での市街戦訓練を受けています。同師団の一般公開訓練を見ている守山区平和委員会の城下英一さんは「実戦的な訓練が増えています」といいます。守山区では「地域総行動」などで南スーダンPKOからの撤退を求めてきました。
 小牧市にある航空自衛隊小牧基地には、自衛隊の海外出動を担う空輸部隊が駐屯しています。
 同基地所属のC130H輸送機はイラク戦争の際、現地で武装米兵の空輸活動をおこない、名古屋地裁はこれを武力行使と一体の違憲活動としました。同機は、南スーダンへの物資空輸に従事しています。
 国会で日本共産党の本村伸子衆議院議員(比例東海)は南スーダンからの自衛隊の撤退を求める立場から、2月23日の衆院予算委員会第1分科会で質問に立ちました。
 南スーダンの首都ジュバで大規模戦闘が発生した時期に、同地に派遣された小牧基地所属のC130H輸送機の任務や輸送物資、航空経路などを稲田防衛相に質し、情報公開を迫りました。
 南スーダンでは戦闘が頻発するなど日本政府のPKO5原則は崩れています。安倍政権は5原則は維持されているとごまかしながら、現地に武力行使に備える兵器・弾薬を送っていた可能性があります。
 小牧基地周辺自治体の日本共産党議員は、南スーダンPKOからの自衛隊撤退を求める声をあげるよう自治体に求めてきました。