愛知民報

【18.06.03】国民生活に大打撃 TPP11 強行に怒り

 米国を除くTPP11(環太平洋連携協定)の批准承認案が5月18日に、同関連法案が24日に衆議院本会議で自民、公明、維新、希望の賛成で可決されました。TPP11は、多国籍企業の利潤拡大が狙い。関税・非関税措置の撤廃により国民生活に大打撃を与えるものです。愛知でも食の安全と農業への影響が心配され、抗議が広がっています。

「慎重対応」が多数 JA愛知調査

 JA愛知は昨年7月、県内の400人を対象にTPP11についての意識調査を実施しました。
 「早急に進めるべき」は14%にとどまり、「慎重に対応すべき」が38%、「情報がなくて判断できない」が46%で、多数は十分な情報提供と慎重な審議を求めています。
 米国離脱前のTPPでは衆参に特別委員会が設置され約130時間の国会審議がおこなわれました。今回は衆院では外務・内閣両委員会で計21時間余の審議で強行採決されました。「慎重審議」を求める世論を無視した暴挙です。
 5月24日付の日本農業新聞は、懸念も払拭(ふっしょく)されていないとして、「影響を緩和する国内対策は十分なのか、政府の影響試算は妥当なのか、政府からの答弁はなく、はっきりしない」としています。

外国まかせノー 「日本農業のあるべき姿」

 JA愛知の意識調査は、「日本農業のあるべき姿」を質問しています。
 回答のトップは「若い担い手を育成し持続性のある農業とすべき」の59%、「地産地消をすすめるなど国産農産物の自給率を上げるべき」は57%で、6割の県民が国内農業の保護育成と食料自給率の向上を求めています。
 一方、農業と食料を企業と外国に頼るTPP路線は少数。「企業の参入を進め、もっと農業全体を激しい競争環境におくべき」は23%、「農業はある程度衰退してもいいから、海外の安い農産物を輸入すべき」は8%に過ぎません。 
 愛知農民連の本多正一事務局長は「多国籍企業の利益のために、農業と食料主権を売り渡すTPPは許されない。農民にとって死活にかかわる重大問題。関連法案を廃案させるまで運動を続ける」と語りました。

 

TPP11賛成衆議院議員

 5月18日、TPP11承認案に賛成した衆院議員(愛知県内小選挙区、比例東海)は次の通り。
 【自民党】〈1区〉熊田裕通〈4区〉工藤彰三〈6区〉丹羽秀樹〈8区〉伊藤忠彦〈9区〉長坂康正〈10区〉江崎鉄磨〈14区〉今枝宗一郎〈15区〉根本幸典〈比例東海〉勝俣孝明、鈴木淳司、大見正、川崎二郎、神田憲次、池田佳隆、八木哲也、田畑毅【公明党】〈比例東海〉大口善徳、伊藤渉【日本維新の会】〈比例東海〉杉本和巳
 ※日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会、自由党、社民党などは反対。