愛知民報

【18.04.29】「残業代ゼロ」制度ねらう 「働き方」法案は廃案に

労働法制改悪に反対する学習決起集会=15日、名古屋市内

 安倍自公政権は6日、「働き方改革」一括法案を閣議決定し、国会に提出しました。
 法案には、長時間労働を野放しにする「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)が盛り込まれています。残業時間は、過労死ラインの「月100時間未満」まで認められます。正規・非正規雇用の格差について、同じ仕事でも「昇進コース」が違えば賃金格差などを容認。国の労働施策に「生産性向上」や「多様な就業形態の普及」を盛り込んでいます。
 当初は裁量労働制の適用業務拡大を狙いましたが、裁量労働制に関する労働時間のデータのねつ造が問題となり、首相が謝罪し、裁量労働制の拡大は取り下げました。
 また、厚生労働省はは不動産大手の野村不動産(東京)で裁量労働制が違法に適用された男性社員が過労自殺し、後に労災認定を受けていたことを隠ぺいしていました。安倍政権が、過労自殺を隠したまま、野村不動産に「特別指導」をした“成果”だけを発表し、“裁量制を拡大しても指導するから大丈夫”と宣伝材料に使ってきたことが浮き彫りになりました。
 愛知県労働組合総連合は15日名古屋市内で、労働法制改悪に反対する決起集会をおこない、「働き方改革」法案の撤回を求める運動を呼びかけました。
 リレートークで、谷藤賢治全日本建設交運一般労働組合愛知県本部書記長は「人手不足。不規則な就業時間と低賃金が背景にある。運転よりも荷物の積み下ろしが主体で敬遠される」、愛知県医療介護福祉労働組合連合会の鈴木正さん(介護職員)は「募集しても人が集まらず、シフトが回らない」。全国福祉保育労働組合東海地方本部の越須賀舞副委員長は、保育現場の人手不足の解決を訴えました。
 伍賀(ごか)一道金沢大学名誉教授が講演しました。