愛知民報

【18.03.04】記者座談会(上) 愛知の政界激動 震源は自民党政治の矛盾

 A 愛知の政界が激動している。県政と政党の問題を語り合いたい。

 B マスメディアは民進系の動きに目を向けているが、激動の震源は自民党政治の矛盾とゆきづまりだ。

 C 大村知事は、民進党系の地域政党「新政あいち」をテコ入れしている。ねらいは大村県政を支える「第2自民党」づくりだろう。

 B かつて自民党が政権を失い、代わって当時の民主党政権ができたがこれも国民の信を失い、「第3極」勢力が台頭した。

 A 「自民も民主もダメ」という風潮の中で当時、自民党の副大臣経験者だった大村衆院議員は自民党を離党し、一方、民主党を離党した河村たかし名古屋市長で「村々コンビ」を立ち上げた。その時の大村新党は「日本一愛知の会」だった。

 C 結局、愛知の会は消滅した。2期目は自民党と復縁し、自民党中心のオール与党体制になった。

 A 2期目の看板政策は、JR、三菱重工、トヨタ自動車という特定大企業のプロジェクト応援を県政の中心課題にすえた「愛知版アベノミクス」だ。安倍政権与党の自民・公明は大歓迎した。

 C ところが、3大プロジェクトは問題だらけで失速状態。

 B リニアは、環境破壊、公金分け取り談合、三菱の小型ジェット旅客機は5度も納品延期、三菱航空機は赤字に陥った。FCVは普及が伸びず、トヨタはEV(電気自動車)にシフトしている。

 A 大企業を応援すれば、県がうるおい、県民福祉が充実する、そんなトリクルダウンは破綻した。

 C 多国籍大企業の戦略に県の命運をゆだねる危険性が浮き彫りになっている。

 B そのうえ、県議会自民党のボス的存在だった元県議会議長が秘書暴行事件を起こし自民を離党した。

 A 自民党が県議会で過半数を占めているのは、比較第1党が確実に議席を獲れる1人区、2人区が多いから。

 C 自民が県議会定数の維持を打ち出したのは、守勢の反映だ。

 A 公明党は、国政でも県内政治でも自民党の付属物にすぎない。自民党勢力の仲間。

 B 来年早々に知事選が予定されているが、大村知事の3期目の目玉は何か。ギャンブルのカジノ誘致では県民はついてこない。

 国会では、日本共産党、立憲民主党、社民党、自由党の4野党がカジノ推進法の廃止法案を共同提出した。

(つづく)