愛知民報

【18.02.18】2018年度政府予算案 「敵基地攻撃能力」保有へ 愛知を足場に改憲軍拡

 安倍政権は1月22日、2018年度政府予算案を国会に提出しました。軍事予算の特徴は、米国の高額兵器購入、敵基地攻撃能力、兵器の輸出拡大など、米軍と一体で「海外で戦争する国」づくりを推進する違憲の軍拡予算です。愛知にかかわる特徴を見てみます。

 

過去最高額

 安倍政権の2018年度政府予算案の軍事費総額は5兆1911億円。17年度に比べ660億円の増額です。6年連続で前年度を上回り4年連続で過去最高を更新しました。6年前と比べると約4800億円増。新年度予算案は米軍と一体で「海外で戦争する国づくり」をすすめる安倍政権の違憲暴走予算です。

F35戦闘機

 新年度予算案に盛り込まれたF35ステルス戦闘機購入費用は6機分で785億円。
 県営名古屋空港に隣接する三菱重工小牧南工場ではF35の最終組み立てがおこなわれ、同空港滑走路が試験飛行に使われています。
 日米両政府は三菱重工小牧南工場をアジア太平洋地域のF35の機体整備拠点にすることに合意しています。
 7日におこなわれた革新県政の会の集会で、横江英樹原水爆禁止愛知県協議会事務局長は「米軍のF35は核兵器搭載可能。三菱重工小牧南工場で受け入れる機体が紛争や戦争に参加する場合、後方支援拠点として攻撃やテロの対象となる可能性がある」と指摘しました。

巡航ミサイル

 新年度予算案には「敵基地攻撃能力」保有へ、射程500―900㌔㍍の長距離巡航ミサイルの導入(22億円)が盛り込まれています。射程500㌔㍍の対地・対艦ミサイル「JSM」はF35に搭載されます。

オスプレイ

 陸上自衛隊が4機導入を予定する垂直離着陸機V22オスプレイの費用は393億円。米軍のオスプレイは16年5月に伊勢志摩サミットの警備を口実に県営名古屋空港に飛来し、空自小牧基地に駐機されました。

攻撃型空母

 自衛隊最大のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」の甲板を改修し、短距離離陸・垂直離着陸が可能な米軍のF35Bステルス戦闘機を搭載する検討がされています。攻撃型空母への改造です。「いずも」は16年5月、サミット警備を口実に名古屋港に入港。金城ふ頭に3日間停泊しました。

 

大村県政 戦争する国づくりに加担

 愛知県の大村県政は、安倍自公政権がすすめる「海外で戦争する国」づくりに加担、協力しています。
 大村県政は、兵器生産と一体の航空宇宙産業の強化を重点課題にしています。県は県営名古屋空港に事実上三菱重工用となる駐機場を整備しました。
 県営名古屋空港の滑走路は空自小牧基地と共用。違憲の安保法制=戦争法にもとづく日米合同訓練に向かう自衛隊機が同空港の滑走路を使用しています。
 知事と名古屋市長が交代で管理組合の管理者を務める名古屋港には16年、日米共同訓練に向かう米軍の兵員や装備が陸揚げされました。県が管理する三河港への自衛艦入港(16年、17年)も相次いでいます。

 

海自 機雷戦訓練 伊勢湾で

 海上自衛隊は1日から10日まで、伊勢湾で機雷戦訓練をおこないました。今回の訓練に参加したのは、掃海母艦1隻、掃海艇14隻、掃海管制艇1隻、航空機2機、人員約770人。訓練機雷を使用した敷設・掃海および潜水訓練がありました。
 機雷とは、水中に設置して、艦船が接近、接触した時に自動あるいは遠隔操作で爆発する兵器。海自は昨年7月青森県陸奥湾で安保法制=戦争法にもとづく米艦防護の共同訓練を実施しています。