愛知民報

【17.11.12】愛知県政リポート 2016年度決算特別委員会(環境費)名古屋港のしゅんせつ土砂処分 中部空港2本目滑走路建設と一体

 

 

  しもおく議員は19日の決算特別委員会で、名古屋港の底にたまった土砂を掘り下げて航路を確保するしゅんせつ作業で発生した土砂を中部国際空港(常滑市)の隣接海域に投入する問題を取り上げました。

 現在、名古屋港のしゅんせつ土砂は同港の人工島「ポートアイランド」に積み上げられています。国土交通省中部地方整備局は、新たな土砂の置き場を中部空港沖につくることが適当として、環境影響評価(アセスメント)の手続きを進めています。

 アセスの手続きには「配慮書」「方法書」「準備書」「評価書」「報告書」の5段階があり、それぞれ住民や自治体からの意見が求められます。国土交通省は今年3月、環境影響評価方法書の公告・縦覧、意見募集をおこないました。

 計画は、将来の港湾整備にともなって発生するしゅんせつ土砂3800万立方㍍で約250―350㌶の埋立地をつくるもの。国や県は、埋立地を中部国際空港の2本目滑走路に利用することを狙っています。

 環境影響評価方法書について出された住民意見は、延べ23人、106項目。のり養殖への影響など伊勢湾の環境悪化を指摘する意見や、既定の計画がある南5区(知多市)の活用を求める意見が出されました。また、8月には大村知事からアセスに対する意見が出されました。

 しもおく議員は、住民からの意見に沿って県側をただしました。 埋立容量の問題では、「必要のない護岸整備を中止し、ポートアイランドに置かれている土砂を建設資材などに再活用して埋立量を削減すべき」という意見を取り上げ、「住民意見に応えよ」と主張しました。

 国土交通省は、「南5区の土地需要の見通しが立たないから中部空港沖を選定した」と述べています。しもおく議員は、「中部空港沖に土地需要があるのか。埋め立てた土地の活用計画を明らかにせずに進めるのは許されない。需要を具体的に示すべき」と述べた住民意見を示し、「具体的な見通しが立たないのに推し進め、埋立地を滑走路に売り渡すというのなら公有水面埋立法に反する」と指摘しました。