愛知民報

【17.03.19】東日本大震災・福島原発事故6年 原発ゼロの声大きく

 東日本大震災と福島原発事故から6年目の11日、愛知県下各地で、震災犠牲者を追悼し、原発ゼロを訴える集会やデモがおこなわれました。愛知県周辺には、東海地震の震源域直上にある中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)や、関西電力美浜原発(福井県美浜町)、高浜原発(同高浜町)など若狭湾の原発群が立地しています。

名古屋アクション

 
 名古屋市中区栄のもちの木広場では、名古屋市内で原発ゼロを求める団体や個人が共催した集会「原発ゼロ名古屋アクション」が開かれ、約800人が集まりました。
 集会では、稼働から40年以上経過した関西電力高浜原発(福井県高浜町)1、2号機の運転延長は危険だとして、住民らが国に対し原子力規制委員会の延長認可の差止めを求めて昨年4月に名古屋地裁に提訴した高浜原発40年廃炉名古屋訴訟の北村栄弁護団長が発言。「圧力容器など原発内部の主要部品は交換することができません。老朽原発を再稼働することは極めて危険」と指摘しました。
 沢田昭二原水爆禁止愛知県協議会理事長は、放射線被害について「放射性の灰やほこりを吸い込む内部被ばくの危険性を政府は無視している」と批判しました。
 日本共産党の本村伸子、民進党の近藤昭一両衆院議員、社民党の伊藤善規県連幹事長、自由党の田中良典県連代表が連帯のあいさつをしました。
 集会後、ドラムやトランペットなどの演奏を先頭に繁華街をデモ行進しました。
 豊橋、岡崎、一宮などでも原発ゼロの集会がおこなわれました。

日本共産党 復興支援活動を紹介

 
 原発ゼロ名古屋アクションの青空市には、反原発の趣旨に賛同する団体が出店。
 日本共産党愛知県委員会は、東日本大震災で津波の被害に遭った宮城県仙南地方でおこなったイチゴやカーネーションの生産の復旧・復興を支援したボランティア活動を紹介するパネル展示をおこないました。

集会参加者の談話

●老朽原発40年廃炉訴訟市民の会 草地妙子さん

 福島原発事故は6年となった今も収束へのめどすら立っていません。それなのに政府は、放射性物質の除染が十分おこなわれていない地域に住民を帰そうとしています。
 安倍政権は、東京オリンピックというある種のお祭り騒ぎの中で、原発を過去のものとして被害をうやむやにしようとしているのではないでしょうか。 福島の現状は深刻です。政府は国民をごまかしきれません。原発再稼働反対は多数派です。みんなの思いを形にして老朽原発廃炉訴訟に勝利していきたい。

●原水爆禁止愛知県協議会事務局員 塚本大地さん

  政府は、広島と長崎で原爆の放射線を直接浴びた被爆者に補償する一方で、死の灰を吸い込んだことによる内部被ばくに対する補償を認めていません。
 福島原発事故でも同じです。内部被ばくによる健康被害を政府は過小評価しています。
 ベトナムは昨年、日本が支援する原発建設計画を白紙撤回しました。福島第1原発事故で安全性への懸念が強まったためです。
 台湾は今年1月、2025年までに稼働中の原発を停止する脱原発を決定。再生可能エネルギーを大幅に拡大していく方針です。
 脱原発、再生可能エネルギーへの転換は世界の流れです。