愛知民報

【17.01.15】日本共産党愛知県議団 開発暴走ストップ 暮らし応援 県政転換に取り組む

 「リニア・ジェット・FCV」を県政の柱に掲げる大村愛知県政。「世界からヒト・モノ・カネを呼び込む」を看板に大企業応援の大型インフラ整備に熱中しています。中部国際空港(常滑市)の空港島に建設を計画する大型国際展示場はその1つ。日本共産党愛知県議団は「県民に負担を押し付ける大型開発計画は見直し、暮らし応援に予算を回せ」と主張しています。

国際会議場 あやうい採算

 国際展示場の事業費は約349億円。展示面積は6万平方?で、名古屋市港区にある名古屋市国際展示場の3万4000平方?を大きく上回ります。2019年秋に完成する計画。
 国内最大の東京国際展示場が2020年の東京五輪施設になり、展示場として使用できないことから、その展示需要を愛知に呼び込む目論見です。
 12月12日の県議会振興環境委員会で、日本共産党のしもおく奈歩議員は県の稼働率試算を追及しました。
 県側は昨年の6月議会では採算が合う稼働率を30%と答弁していました。その後、25%に下方修正。これは、展示需要の低さを認めたも同然です。
 稼働率変更の根拠を聞いた、しもおく議員の質問に、県側は「愛知県と近県ではない地域の展示場を参考にした」と、具体的な根拠を示せませんでした。
 昨年10月6日付「朝日」は「人気薄、申し込みまだ7件」と書きましたが、しもおく議員の「現在の予約が何件あるのか」の問いに県側は予約件数の公表を避けました。
 12月議会最終日の20日、利用料金や管理運営の方法を決める条例案が自民・民進・公明の賛成で可決。日本共産党は反対しました。

カジノ IR 前のめり

 昨年の臨時国会でカジノ解禁のIR(統合型リゾート)推進法が自民・公明・維新の賛成で強行されました。同法は民営ギャンブルのカジノを解禁するもので、広い立場の人々から批判が起きています。
 中部国際空港の地元の常滑商工会議所は12月8日、IR整備の検討を求める要望書を大村知事に提出しました。知事は「国際的な観光集客のための魅力ある施設」と前向きのコメントを出したと報じられました(12月9日「中日」)。
 12月12日の県議会振興環境委員会で、県当局は、常滑商工会議所の意向を踏まえながら、実現可能性、メリット、課題について検討するという前のめりの認識を示しました。
 しもおく議員は「大規模展示場をカジノを含む統合型リゾート施設を呼び込むものにするのは言語道断」と批判しました。