愛知民報

【16.08.07】自民党愛知県議団 丸ごと改憲議連所属 日本会議後押し

 参院選で、戦争法廃止・立憲主義回復・安倍改憲阻止をめざす画期的な野党共闘が前進しました。一方、安倍政権側は「改憲かくし」に終始し、改憲発議に必要な3分の2の議席をえました。参院選後、日本を「戦争する国」につくり変える安倍改憲を阻止する県民のたたかいは新たな緊迫した段階を迎えています。愛知県内の「9条の会」は学習交流会をおこないました。改憲側はどうか。安倍改憲路線を推進する「日本会議」の愛知の動きを見てみます。

極右組織

 今年3月、自民党愛知県議団57名全員が加入する「憲法改正を考える自由民主党愛知県議員連盟」が発足しました。会長は、日本会議会員の直江弘文県議(名古屋市港区)。愛知県議会初の改憲議連の立ち上げを主導したのが日本会議です。
 「安倍政権を支える極右組織」とされる日本会議が発足したのは1997年5月。翌年4月に同愛知県本部が設立されました。
 右翼運動家、自民党議員や神社関係者らで役員を構成。現在、県内12の地域支部や「日本女性の会愛知」が活動しています。
 

草の根

 日本会議の最大の運動テーマは憲法「改正」。天皇元首化、軍隊保持、家族主義、緊急事態条項など、自民党改憲草案と同じ基調です。
 地方議員や地域支部の改憲街頭宣伝、改憲啓発DVDの県内全市町村上映、女性向けの「憲法おしゃべりカフェ」開催など、「九条の会」に対抗する「草の根改憲運動」を展開しています。
 日本会議愛知県本部は、改憲推進1000万賛同署名の愛知県目標30万人を突破したと、今年4月25日に発表しています。 

議員拡大

 安倍内閣の主要閣僚は日本会議のメンバー。平和・民主の現行憲法を敵視する極右内閣です。
 自民党愛知県連会長の藤川政人参院議員は、自民党改憲草案の起草委員のひとりです。
 名古屋市議会では2012年に「日本会議名古屋市会連盟」が結成されました。会長は、前市議会議長の藤沢忠将市議(南区)。同連盟所属の議員は16名といわれています。
 日本会議は、右派地方議員の加入をすすめています。昨春の春日井市議選では、5名の日本会議会員が当選したと発表しています。

反動化

 名古屋市議会の日本会議議員グループは、河村たかし名古屋市長の南京大虐殺否定発言の援護や侵略戦争肯定の歴史教科書採択に動きました。
 県内自治体議会の日本会議議員や右派議員は、日本会議支部などの右翼組織の請願・陳情活動と連携し、議会議場への日の丸掲揚、元号使用の強制、侵略戦争肯定・美化の歴史教科書の採択、偏狭な愛国心教育を主張しています。
 県議会(定数102)の過半数を占める自民党県議団全員が加入する改憲議員連盟ができたことで、県内の議会で改憲推進の意見書提出や決議を上げる動きが強まることが予想されます。
 一方、改憲反対の市民・国民の世論と運動、安倍改憲阻止の野党共闘も前進しています。

緊迫の段階

 戦争か平和か、独裁政治か立憲政治か――。
 憲法をめぐるたたかいは、緊迫した重大段階を迎えています。 

「9条の会」運動強化へ

 
 愛知県内の地域・職域・分野別の「9条の会」の学習交流会が7月23日名古屋市内でおこなわれました。
 本秀紀名古屋大学教授が「参院選後の憲法をめぐる情勢について」と題して講演。自民党改憲草案について「本質は?廃憲?。何でもありのアベ政治を甘く見てはならない」と警告しました(写真)。