愛知民報

【16.04.03】大高緑地 恐竜パーク 「ガオー」 県立公園にふさわしいか

愛知県が、名古屋市緑区の県営大高緑地に建設をすすめる民間企業による?恐竜パーク?(ディノアドベンチャーライド名古屋)は公共の福祉や教育を目的とする公立公園にふさわしいか疑問です。(錦見友徳)

 愛知県が「民間活力」の活用として大高緑地に誘致した?恐竜パーク?は、樹林地内に設置された30体の動いて吠える?恐竜?ロボットを観覧する有料施設(大人1800円、中学生以下900円)です。県が昨年10月に公表したイメージ図によると、入場者はカート(軽車両)に乗って樹林地をすすみ、「ガオー」と吠えて動く恐竜ロボットを見る仕掛け。
 県の公募に応じた企業は1社だけ。事業を受託した企業「エヌ・エー・オー」は岐阜県郡上市で同種の施設を運営しています。同社ホームページでは「恐竜映画の再現だ」という感想が紹介されています。
 今回、大高緑地に建設される施設は?恐竜パーク?と銘打っていますが、恐竜を学術的に再現するものではありません。「ガオー」という恐竜の?鳴き声?もあくまで想像上のもの。昨年6月におこなわれた大高緑地公園施設設置管理者選定委員会では、学術的、教育的見地からの検討はされていません。?恐竜版お化け屋敷?です。 
 大高緑地は県が設置する都市公園です。都市公園法は公共の福祉増進を目的とすると定め、国土交通省は公立の都市公園に「教育に資する機能」を求めています。
 愛知県議会2月定例会に、恐竜パーク中止を求める請願が提出されましたが、自民、民主、公明各党が反対し不採択になりました。日本共産党は賛成しました。

子どもたちに自然を 大高緑地を 愛する会代表 溝口江理子さん

 県営大高緑地は、大都市名古屋にありながら緑豊かな公園として、県民の憩いの場、スポーツや散策、自然観察、子どもの野外活動の場として親しまれ、愛されています。
 公園を、子どもをターゲットにして高い料金を払わせる「金儲け」の場にするのは「公共の福祉に資する」という都市公園法の目的から外れています。
 子どもたちのためには、本来の自然環境について学べるものこそ必要です。
 恐竜パークの建設工事の中止を求めます。